●この空気感…


江國さんの新刊、

しかも

「きらきらひかる」の10年後収録 とくれば買いです!

江國 香織
ぬるい眠り

「きらきらひかる」の10年後は「ケイトウの赤、やなぎの緑」というタイトル。

笑子、紺、睦月が生き生きと、でもひっそり息づいていました。

ちなみや郎、亜紀、サロンの仲間達もなんだか実在するような錯覚を覚えたり。

10年後と言えば、それなりの年齢になっているし、

各自のキャラクターがたってくるな、と思ったりもしました。サロンの人達が濃いんですもの。。

そんななかでも、仲の良い兄弟関係に ちょっとうらやましさを感じます。…私には男兄弟がいないから、かな。

普通の会話なんだろうけれど、なんだかきょうだいをのぞき込んでいるような印象をもって読みました。

他の短編では

「放物線」に、なんだか安心感を覚え

「災難の顛末」で、猫を飼うのが ちょっぴりこわくなり(笑)

「夜と妻と洗剤」にいたっては、女心って複雑ねぇ。などど苦笑していました。

どの短編もいとおしかったです。

…江國さんが書く小説って、どの人物もキャラクター強いですね~。

それなのに、喧嘩していないというか。ずんずん前に出ると言うよりは、各自ひっそりとその場にいる。

この、不思議な空気にいやされるような、感じを受けます。