こどものころ、よく読んだこの絵本は友人からのプレゼントでした。いつでも開けるのはうれしい!

タイトル: ちいさいおうち  岩波書店
〔THE LITTLE HOUSE by Virginia Lee Burton〕
著者: ばーじにあ・りー・ばーとん, いしい ももこ
キーワード:田舎、りんごの木、星、都市開発、あたたかい気持ち♪

●ちいさいおうち は 私たち自身?

 とにかく、絵が愛らしいです。四季を感じ、りんごの木があり、鳥がさえずる場所にある赤い家がかわいらしく、ページをめくるたびに、ほほえましい。


 しかし。話が進んでいくと、ちいさいおうちはだんだん色がくすんできます。家のまわりが開発され、街になり、人であふれる。朝と夜の区別がつかない…。開発されていくと、絵も黒っぽくくすんだ色になり、ページ全体が暗くなっていくのです。


 久しぶりに読んでみて、思いました。これって私の生活そのものだよね。ビジネス街で働き、深夜に帰っているな。新しい街ができあがると、生活拠点として利用しているな。それに、毎日あくせくしてるよね、と。

「ちいさいおうち」があっても、気づいていないのかもしれないな。


 便利な生活 vs 四季を肌で感じる生活。どっちが良いなんていえません。でもなんだか原点をおもいかえしたくなるお話です。読む人によって、感じ方は違うかもしれないですけれど。大人の絵本、という見方もできるのかもしれませんね。