米旅・麺旅のベトナム

木村 聡 著

弦書房

 

 

タイトルのとおり、ベトナムの米と麺をテーマにした旅行記です。ベトナムは南北に約1,650kmという国土を持っており(東西方向に一番狭い場所は約50km)、北部には四季がある一方、南部はいわゆる常夏で地域によって気候風土が異なります。気候風土が違うと、やはり食文化にも違いが生まれます。この本ではベトナムに30年間通っているという著者が多くの写真とともに、ベトナム各地の米料理、麺料理を紹介しています。

 

ベトナムを北から南、東から西まで旅しながら、俗にいう「どローカル」な食堂、屋台で食べ歩いた記録で、食べものはもちろんそれぞれの地域の雰囲気も伝わってくる面白い本でした。

 

 

 いわゆるレストランガイドではない

 

ただし、この本はレストランを紹介することが主目的ではなく具体的なお店の名前などはほぼ登場しません。一部、店がある道の名前などから調べられそうなところもあるものの、旅行中に食べるレストランを探す目的には向いていない本です。

 

でもベトナムに興味がある方、特に食事に関心がある方にはオススメします。写真が多いので本当に旅しているような気分にもなれる本でした。

 

 

 

 小刻みで読みやすい

 

本書は5章から成り、各章5つの料理が紹介されます。各料理は写真も含めて8ページごとにまとまっていて、とても読みやすい構成でした。

 

巻頭の目次には各料理を紹介する記事のタイトルと料理名、地域が掲載されています。

(例)白飯、喰ったか ー コム・チャン(サパ)

 

さらに巻末には料理名の索引も付けられており、興味がある記事、知っている料理から読むという楽しみ方もできるようになっています。 ※米麺メニューは80種掲載とのこと

 

ベトナム旅行の余韻に浸りながら楽しむのも良いでしょうし、やはり行く前に予習として読むと気持ちがグッと高まります。

 

 

 米大国・ベトナム

 

ベトナムの食べものと言えばフォー、生春巻きが思い浮かぶと思います。どちらも米を使った料理ですが、ベトナムは世界3位の米輸出国です。(1位・インド、2位・タイ)

 

 

ちなみにコーヒーもブラジルに次ぐ世界2位の輸出国となっています。

 

 

どちらも輸出されると同時にベトナムの人たちの生活にも入り込んでいて、本書はベトナムで米がいかに重用され色々な形で食卓に上がっているかを紹介してくれます。

 

 

 

 ベトナム米麺はとにかくバリエーションが豊富

 

本書を読むとお分かり頂けますが、ベトナムでは米麺の種類そのものが多いうえに、それぞれを色々な食べ方にアレンジするのでとにかくバリエーションが豊富です。たとえば、丸い米製の「ブン」という麺があるのですが、先日ベトナムの日本人向け情報誌(スケッチ)で、『100杯のブン』という特集が組まれたのが良い例かと思います。Web上でも読めるようですので興味があればご覧になってみてください。

https://issuu.com/vietnamsketch/docs/sketch_202305_all

 

 

 

 

 ホーチミンエリアのお店

 

本書4章でホーチミン市のカニ料理屋さんのエピソードが出てきます。当地でも有名なようで、こちらのWebサイトが分かりやすくまとまっていましたのでよろしければどうぞ。

 

あと、フーコック島発祥のブンクァイ(Bún Quậy)有名店:KIẾN - XÂYがホーチミンにも店舗を展開しているようでちょっと市内から離れてはいますがオススメです。