天皇制についてのメモ | 星垂れて平野闊く 月湧いて大江流る

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 ツイッターで女系天皇について議論しています。ちょっとお話を整理してみますね。

 メモなので、細かい所間違っていたらごめんなさい。

 

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 神話の時代のことをあまり細かく議論するのは意味がないと思うので割愛して、実在が確認されてる皇統に限って話をすると、だいたい奈良時代の終わりぐらいから平安時代初期くらいまでは、天皇家は近親婚が多くて、父方からも母方からも天皇・皇族の血を引く人が即位していたので男系・女系というのはあまり気にされていなかった。実際、歴代十代八人いる女性天皇の大半がこの時代に集中している。

 平安時代中期以降は人口も増えてきたので近親婚はあまり行われなくなった。それでも、比較的天皇家に血が近い藤原家など位の高い貴族(公家)と婚姻することが多かった。ちょっと時代が下ってくると平家など位の高い武家と婚姻することも増えてくる。というより、平氏にしても源氏にしても、元々天皇家の血を引いていることでその家系の権威を担保していたのである。

 江戸時代~昭和初期まで、天皇・皇族は主に位の高い公家(華族)や武家(士族)と婚姻していた。皇統は基本的に男系男子が継承し、婿取りというアイデア/システムは皇室には採用されない。

 千数百年の間「何となく」それで来たのを制度化、つまり明文法化したのが明治政府である(現行に繋がる皇室典範)。その頃は側室制度が存在したし、皇族も今より沢山いたので、男系男子と制限をかけてしまってもまあ何とかなるだろうと考えていたのだろう(ただこの処置には反対意見も結構あったようである)。

 しかし、側室制度が廃止され、太平洋戦争敗戦→民主化&象徴天皇化→民間出身の美智子妃の誕生で事態は一変する。美智子妃には運よく男の子が二人生まれたからまだよかったものの、それ以来、秋篠宮家の長男悠仁の誕生まで、皇室にはしばらく女の子が生まれなくなってしまう。ご存じの通り、皇室典範に定められた皇位継承権を持つ若い男性皇族は現在、彼ただ一人である。

 昔みたいに厳格な身分制度があり、「天皇家の親戚か、それに次ぐくらいの家柄の人しか皇室には嫁入りできない」ということになっていれば、「前例がないが、背に腹は代えられぬ。愛子さんに婿取りしてもまあいいんじゃないか」という議論にもなりやすかった気がする(今、愛子さんと旧宮家の男性を婚約させようとする動きがあるみたいだが、要するにそういうことだろう)。

 しかし、美智子、紀子、雅子と、民間からの皇族参入が普通になってしまった。とすれば、愛子さんにしても佳子さんにしても「婿取りするなら市民階級はいかん」とは言えないだろう。彼女たちの母や祖母だって市民出身なのだから。

 つまり、「女性・女系天皇を認めて愛子皇太子(仮定)に婿取りしたら次の次の天皇には市民階級の男の血が混じってしまい得る」ってことを男系男子派は恐れているわけだ。「市民階級の女の血」はまあギリギリセーフでも「市民階級の男の血」は受け入れ難いのだ。「天皇家の血」というのは父方から受け継いでいるものでなければ意味がないとする、「下賤な男の血」が一滴でも入れば、たとえ母方の血筋が神武天皇まで遡れる「由緒正しい」ものであっても、それはもう別物である、「下賤な男」の王朝になってしまうという、男尊女卑ここに極まれりという恐るべき思想。

 

 実際には「男の血、女の血」なんてものはなく、「身分の高い人の血、身分の低い人の血」なんてものがあるわけでもない。だから何だという話である。

 天皇制(男系男子主義)というのはそういう非常に不合理でナンセンスな差別的思想に基づく制度であるので、あたしはいっそ廃止した方が良いと考えている。そもそも民主主義とmonarchy(王制、君主制)とは相容れず、併存しているのがおかしいという議論はヨーロッパにもある。

 そのようなものを「国及び国民統合の象徴」として有難がるのは金輪際ごめんである。

 

 

争いに勝つこと 土地を仕切ること

色で分けること 血を選ぶこと

FREEDOM 二人が今

FREEDOM 離れているから感じる

(1) FREEDOM - YouTube