登山って、必ずしも速く歩くためでも、誰よりも早くゴールにたどり着くためでもないと思う晴れ

ただ少しだけ自分のペースを落として、道中の景色をじっくり味わいたい。そんな気持ちになることがある。

今回、私たちは4日間3泊の行程を選び、戒茂斯登山口から出発して、嘉明湖を目指し、その先は向陽山の方向へと進んだ。

もしあなたも私と同じように、速さよりも道中で感じることを大切にしたいタイプなら、ぜひ時間に余裕を持った登山をおすすめしたい。

道のりは長く、体力的にも疲れるけれど、途中で立ち止まって眺めたくなるような美しい景色がたくさんある。

私にとって登山は、時間を競うレースなんかじゃない。自分のペースで、少しずつ自然の中へ入っていく旅なんだ。

だから、道中の景色や空気をじっくり楽しみたいなら、慌ただしい3日間2泊よりも、4日間3泊の行程がおすすめ。

日程が短ければ、目的地には早くたどり着けるかもしれない。でも、急ぎすぎることで、立ち止まって眺めたい景色を見逃してしまうこともあると思う。

📍1日目|戒茂斯から出発

初日はおよそ9キロ歩き、行動時間は5時間ほどだった。

でも、本当に印象に残っているのは、その夜の寒さだった。

夜9時にシュラフに入ったものの、ほとんど一晩中、まともに眠ることができなかった。

気温が低いうえに、地面から伝わってくる湿気も冷たく、背中から全身へと寒さが広がっていく。

そんな状態で、朝5時に起きるまでずっと耐えていた。

今回の登山で、装備は軽さだけを重視してはいけないんだと、身をもって実感した。

準備は十分にできているつもりだった。シュラフも氷点下10度以下に対応するものを購入していたし、ズボンを2枚、上半身には3枚重ね着して、靴下も2枚履いていた。それでも寒くて眠れなかった。

あとから考えると、原因はマットにあったのかもしれない。

今回は荷物を軽くするために、比較的簡易的なマットを選んだのだけれど、思ったほど保温性がなかった。

つらい一晩ではあったけれど、実際に経験したからこそ学べたこともある。

高山では、快適さと保温性が本当に大切。特にマットは、荷物を軽くしたいからといって、簡単に妥協してはいけないんだと思った。

📍2日目|嘉明湖を目指して

2日目も嘉明湖に向かって歩き続け、途中では妹池周辺を通過した。

この日の行動時間はおよそ7時間。

一歩ずつ進むにつれて、周囲の景色も少しずつ変わっていく。

登山は確かに大変だ。足元の一歩一歩に集中しなければならないこともあれば、立ち止まって呼吸を整える必要もある。

でも、ゆっくり歩くからこそ、周りの小さな変化にも気づきやすくなる。

普段の生活では見過ごしてしまいそうな景色も、山の中では不思議なくらい鮮明に感じられる。

私は、こういう時間が好き。

どこかに早くたどり着こうと焦る必要もないし、あとどれくらい歩かなければならないのかを、ずっと気にする必要もない。

一歩ずつ目的地に近づいている。それだけで十分だと思える。

📍3日目|嘉明湖、高山に広がる青い景色

3日目の行動時間はおよそ5時間。

前の2日間とは景色が大きく変わり、この日は私が一番好きな高山の風景を楽しめた。

視界が少しずつ開けていき、青い空、真っ白な雲、そして遠くまで連なる山々が、目の前に幾重にも広がっていく。

その瞬間、それまでの疲れも忘れてしまいそうになった。

嘉明湖の標高は約3,310メートル。

ここに来て感じるのは、高山の壮大さだけではない。言葉ではうまく表せないような、静けさもそこにはある。

こんな景色の中に立っていると、自分がとても小さな存在に思える。でも、だからこそ自然の広大さをより強く感じられるのかもしれない。

私にとって、登山の一番の魅力は、きっとこういう瞬間にあるんだと思う。

何キロ歩いたかでも、誰より早く到着できたかでもない。

大変な道のりを歩いてきたあとでも、立ち止まって空や雲、目の前に広がる山々を眺める心の余裕があること。

それが、私にとって何より大切なことなんだ。

ゆっくりでも、いい

今回の4日間3泊の旅には、目を離したくないほど美しい景色もあれば、寒さで一晩中眠れなかった夜もあった。

体が疲れ切ってしまうこともあれば、目の前の景色に心を動かされて、また元気をもらえる瞬間もあった。

振り返ってみると、そのすべてが旅の一部だったんだと思う。

もしあなたも登山が好きなら、毎回速さを追い求めなくてもいいし、誰かが決めた目標を急いで達成しようとしなくてもいいと思う。

道中の景色を楽しむ時間も、自分の体や心に余裕を持たせることも、大切にしてほしい。

だって、私たちが山に入るのは、ただどこかにたどり着くためだけじゃない。

そこへ向かう道のりそのものを、しっかりと味わうためでもあるから。

ゆっくり歩いて、ゆっくり眺める。

その一歩一歩が、この旅の忘れられない景色になっていく。