帰宅にはタクシーを使っても良かったが、何となく入院前の状態と比較したくて電車で帰った。
いつもの、普通の生活に近づけたかった。
痩せて筋力も無いので、少しの段差や電車の揺れ等に気を付けて、エスカレーターもエレベーターも一番最後に乗った。
「エレベーターが閉まる!」と、とっさに走ろうとしても走れないのだ。
席が空くまで立っていたが、電車では踏ん張りが効かないので、転びそうでヒヤヒヤした。
ヘルプマークの必要性を初めて感じた。
病院を出たら、またいつもの食事に戻れると思ってたが、やっぱり無理だった。
幻想と現実がフワフワしている。
ラーメン食べたかったのに、食べる気力もなかった。
最寄駅から自宅まで徒歩10分程なのだが、荷物も有り、何度か立ち止まって休憩しつつ帰宅した。
出張後直ぐの入院だったので、約2ヶ月振りの自宅。
帰宅後、昼食をとる。
レトルトお粥を半分だけでお腹いっぱい。
病院食半分生活だったので、まだ胃腸はお休みモードだった。
ラーメンは暫くは無理だ…。
自室へ階段を上っていく。
が、階段をスムーズに上れない。
笑っちゃう程、足が上がらないのだ。
数段上り、一息つく。
最終的には、四つん這いになって上った。
幼少の頃、段差があり急斜面な階段を上る時に、そうしたことを思い出した。
荷物は中身を少しづつ分散し、部屋へ運んだ。
スーツケースは持ち上がらないので、家族に運んでもらった。
自宅に居るほうが体力を使うので、凄く疲れる…。
80歳並の体力まで落ちてしまった感じだ。
ストーマパウチが3時間程でいっぱいになる度に、1階にあるトイレ🚻へ。
階段を使うので、それだけで一苦労。
自宅での不便さはあるが、人の気配が少ないのでゆったりできるし、やっぱり安心する。
夜もぐっすり眠れると思ってたけど、ストーマパウチが気になって、入院中と同様に深夜3時頃に決まって起きてしまった。
病院での生活習慣は暫くは抜けなさそう。
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