声が聞きたくて
「もしもし、どした?」
「ううん。 ちょっとアナタの声が聞きたくなっちゃって。」
涙が出るほど悲しいことがあったワケではなくて、
なんにもする気が起きないほどつらいことがあったワケではなくて、
ただちょっと「あれ? ワタシちょっと疲れてる?」って感じる時。
「ただちょっとアナタの声が聞きたくて・・・。」
そう言って電話をかけれる距離にケンちゃんがいてくれたらいいのにな~。
恋人と言えるほどの距離じゃなくても、
家族と呼べるほど近くなくても、
「珍しいな、お前から電話してくるなんてw」
そう笑われるくらいの距離感。
そんな距離にケンちゃんがいてくれたら・・・・・。
「ケンちゃんの声聞いたら元気が出てきたよw」
「なんだお前、凹んでたのか?」
「いや・・・そういうワケじゃないんだけど・・・。」
「お前らしくもない。 元気出せ。」
きっと体の芯から元気が湧いてくる。
CDから流れる歌声じゃなく、PCから聞こえる話し声じゃなく、
電話の中から聞こえるケンちゃんの声。
なんとなく聞いてみたくなった初夏の夜のことでした。
ん?? どした?