旅立ち ~ スタート♪
風は冷たいけど、眩しいほど透き通った青空が広がった今日。
我が家の問題児、壊れ王子の卒業式がありました。
ホント、この3年間はいろいろあったな~。
ワタシが転職したのとほぼ同時に中学生になった壊れ王子。
新しい職場で悪戦苦闘していた母は、
同じように新しい環境で頑張ってた王子に気を配ってやれてなかったのかもしれない。
彼は知らない間に学校に行かなくなっていた。
初めはよくあるちょっとしたイジメが原因だったようだけど、
最後にはそれだけじゃなかったように思う。
まだ人生経験の浅い彼の中で、自分自身に対する何か得体のしれない大きな疑問が湧いてきて、
どうしようもない虚脱感に襲われたのかもしれないな。
未熟な母もそんな彼を前に、どうしてやることもできなかった。
そんな彼に溢れんばかりの愛情を注いでくれたのが、
この3年間、彼を受け持ってくれた先生たち。
どの先生も熱心に彼の心の声を聞こうと必死で彼に働きかけてくれた。
特にこの3年生で受け持ってくれた先生。
今年初めて自分のクラスを持った新任の先生で、王子を含むクラスの子たちが彼女の第一期生。
若くてちっちゃくて可愛くて、「お嬢さん」と呼ばれるのがピッタリな先生で、
家庭訪問で彼女と初めてお話した時、「今年受験なのに、彼女で大丈夫なのかな~?」とか、
今から思えばとっても失礼なことを思ったっけ。
でも彼女は愛と情熱の人でした。
「3年2組のみんなが私の恋人♪
みんなが可愛くてたまらない。
この組を受け持つことができた私は幸せだ♪」
この一年間、その気持ちを子どもたちに伝え続けてくれた先生。
初めは元気過ぎてバラバラだった子供たちも、そんな先生の気持ちに応えて、
体育祭や文化発表会ではひとつになり結果を出すまでになったよう。
なかなか学校に行こうとしない壊れ王子に対しても、
たまに学校に行くと「○○くん、よく来たね~♪ 先生、嬉しいよ♪」と、満面の笑みで迎えてくれた。
親としては「甘いな~。」と思ったし、「もっとビシバシ言ってやって下さい」と言ったこともある。
だけど先生は、
「わかってるんですけど、○○くんが学校に来て笑っててくれると嬉しくて、
ついつい怒れなくなっちゃうんです。」と・・・・・・・。
ワタシはそんな先生の気持ちがありがたくてホントに嬉しかった。
若いし、まだ経験も少ないから、技術なんてものはそうなかったのかもしれないけど、
たっぷりの愛情と、彼らに対する想いだけはたっくさんあって、
この一年、そんな彼女の愛情に包まれて、彼らは大きく成長できたんだと思う。
まだまだ未熟な壊れ王子に彼女の思いが届いたかどうかはわからないけど、
これから彼が悩んだり、壁にぶち当たりながら生きていく道のりの中で、
いつか彼女の蒔いた愛の種が芽を出し、花を咲かせる日が来ると信じています。
今日、可愛らしい袴姿でクラスの先頭を歩く目を腫らした先生の顔を見てから、
不覚にもずっと涙が止まらなかったワタシ。
ワタシの大切な壊れ王子を、ワタシと同じように大切に想って下さってありがとう。
彼の担任の先生がアナタでよかった。
ホントに、ホントに、心から感謝しています。
これからも子どもたちに愛と想いを伝え続ける先生でいて下さい。
アナタの教師生活に、充実感と感動があることを心から祈っています。
そして・・・・・・。
壊れ王子、3年間ご苦労さま。
今日、卒業式は終えたけれども、これがアナタのゴールではありません。
長い人生から考えると、まだスタート地点にも立っていないかもしれない。
短い15年の間にいろんなことがあったけど、それが全てではありません。
まだアナタの知らない世界が無限に広がっています。
その広い世界の中に、大好きになれる自分を探して下さい。
自分を好きになれたら、きっとアナタは長い道のりを歩くための一歩を踏み出せるはず。
どんなにアナタのことが可愛くても、
アナタの人生をアナタの代わりに母が歩いてあげることはできません。
アナタの人生はアナタ自身の足で一歩ずつ歩いていくしかない。
そして遅くても一歩ずつ足を前に進めていけば、
いつかアナタの願う世界に必ず近づき辿りつけるはずです。
その歩いて行く行為こそが、アナタを強くし幸せにしてくれます。
どうか早くそのことに気づいて、第一歩を踏み出して下さいね。
しんどいことや辛いことばかり探さないで。 悲しいことや苦しいことばかり数えないで。
どうせだったら、幸せなことや楽しいことを見つけてごらんよ。
人生はアナタが思うよりずっとずっと楽しい。
大人になるのも悪くないもんです。 怖がらないで。
これからも母はアナタのことを傍で見守っています。
そしていつか、アナタが自分の人生に光を見つけ出す日が来る事を祈っていますね。
なにはともあれ、
卒業、おめでとう!!