祈り☆ | 空の行方☆

祈り☆




事実なんて、どうだっていい。





ワタシは・・・・・ワタシたちは、彼のことを信じてるんだから。





それが事実じゃない事くらい、ちゃんとわかってるし、

もし、万が一それが本当の事だったとしても、

それにはそれ相当の理由があることもわかってる。





だからね、それが事実かどうかってことは、

ワタシにとってどうだっていいこと。







ただ、ワタシが気にかかるのは、 「彼の気持ち」







今、どうしているんだろう??

今、どんな思いでいるのかな?






おんなじ現場で、志を同じにしてやってきたと思っていた人たちからの裏切り。

それがまかり通ってしまう異常な世界。

届かない自分の声。

届かない自分の思い。






そんな現実にぶち当たってしまった人間が、行き着く先はふたつにひとつ。






苦悩 か 諦め






そんな思いを彼にさせるのはイヤだ!

彼を思う誰もがそう思っているハズ。





彼にはいつも笑顔でいて欲しい。

誰にも惑わされず、自分のあるがままの姿で飄々と生きていって欲しい。





でも、彼はそれが許されない世界に生きているんだね。

彼とワタシたちが唯一繋がっていられる世界なのに、

それさえも許されなくなってしまうのか・・・・・・。





ワタシは今までいろんな人に憧れたし、

いろんな人を好きになった。

そして、その人たちに対してはいろんな願望を要求してきたように思う。





もっと会いたい。

もっと近くに。

もっと触れ合いたい。





でも、彼に対してだけは少し違う。





あまりに近付き過ぎると逃げてしまう野性の動物のような彼。





そんな彼に対してできることは、ただひとつ。







祈る







ただただ、そっとしておいてあげて。

彼の思うように生かしてあげて。

大きな愛情で見守ってあげて。





何もしなくていい。

触らないで。





そうじゃないと、彼が彼でなくなってしまう。

彼が今の世界に足を踏み入れたことを後悔してしまう。

彼の後悔した顔、諦めきってしまった顔は見たくない。







彼がありのままでいられますように・・・・・。

彼の暖かい心が踏みにじられませんように・・・・・。

彼の笑顔が消えませんように・・・・・・。

もうこれ以上、彼の心に冷たく鋭い刃が傷をつけませんように・・・・・・。

彼が彼を愛する人の中で暮らしていけますように・・・・・・。






これはきっと彼のためではなく、ワタシ自身のための祈りかもしれない。

でも、ワタシはそうせずにはいられない。

彼の笑顔を失くすことが、ワタシの悲しみに繋がるのだから・・・・。






だから、ワタシは今日も祈ろう。




彼の明日が、いつまでもワタシたちと繋がっていますようにと・・・・・・。