アメリカ東部の裕福な家庭に育ち、
大学を優秀な成績で卒業した若者が、
誰にも告げず全てを捨てて荒野(=アラスカ)を目指して旅に出る。
アメリカで10数年前に起こった実話が元になっている映画です。
(公式サイトはこちら )
「全てを捨てて旅に出る」…なんとも魅惑的なフレーズです。
憧れる人は多いでしょうが、
実際に行動するとなると…。
しかも彼は、
物質文明に幻滅していたかもしれないけど、
決して死にに行ったわけでも逃げてるわけでもありません。
自暴自棄になったり、享楽的にせつな的に生きる話でもない。
とっても真面目で繊細でストイック。
クレジットカードやお金まで燃やして旅立ちますが、
自然の中で生きていくために必要なサバイバル知識をつけ、
体も鍛えて準備しています。
旅の途中で出会う人々ともきちんとコミュニケーションできるし、
それどころかちょっと繊細で世の中からはみ出してしまった人々に、
何かしら訴えかけることさえできる。
最初から彼の中では「帰る」ことが前提になってたと思います。
「帰る場所」は決まっていなかったか、
あるいは決まっていたとしてもそこから変わった可能性もありますが。
「本当の幸せとは、それを誰かと分かち合う時にわかるものだ」
うろ覚えですが、終盤にそんな台詞がありました。
それを契機に行動を起こそうとした彼に訪れる過酷な運命のせつなさ。
主演のエミール・ハーシュの鬼気迫る壮絶な演技とともに、
アラスカを初めとするアメリカの大自然の映像が、
彼の孤独で過酷な「旅」に説得力を出しています。
映画を見た後に公式サイトで、
「実在のクリスのご家族が映画をご覧になって満足された」と知り、
なんだかほっとしました。
- 荒野へ (集英社文庫 ク 15-1)/ジョン・クラカワー
- ¥700
- Amazon.co.jp