台北の道路名がやけに似ているのは?

 
 
台北もの道路名には、「中山路」や「中正路」、
 
「民族路」「民権路」「民生路」といったいかにも
 
区別しにくい名前が並んでいる。
 
漢字の国なのでしかたがない面もあるが、
 
旅行者泣かせの道路名であることは間違いない。
 
観光客でなくても、「民権路」や「民生路」といった
 
似かよった表示が次々と現れれば、
 
つい間違ってしまうことも多くなるだろう。
 
さらに、街の名前になると、台北市の一画には
 
「仁義街」「仁福街」「仁賢街」「仁信街」「仁和街」
 
「仁興街」「仁孝街」「仁愛街」「仁壽街」が集まっている地域もある。
 
これでは、地元の人でも頭が混乱するのではなかろうか。
 
台北の地名がかくも面倒になったのは、
 
政治家の号やスローガン、中国の八徳などのお堅い言葉が
 
そのまま使われているからである。
 
たとえば、「中山路」は、辛亥革命を起こし、
 
「中華民国の父」と呼ばれる孫文の号に由来し、
 
「中正路」は、台湾政府を樹立した蒋介石の号につなむ。
 
また、「民族」「民権」「民生」は、
 
孫文の唄えた中国革命の基本理論である三民主義に由来し、
 
「仁愛路」や「忠孝路」は、中国の八徳に由来する。
 
と説明しても、休暇を台北で過ごす日本人にとって、
 
覚えやすくなるわけではないだろうが・・・。