かつてのあたし。
福々として、女らしいでしょ?
でもねえ、手足が子供のころから成長しなかったものだから、
おなかが床につきそうだったのね。
ちょうどこのころ、確か、あたしが10歳ぐらいの時のことよ。
世話係の麦が、海外に行くことになってね、
あたしを連れて行こうとしたんだけど、
二度と飛行機に乗るのはごめんだったから、断固拒否したの。
それで、あたしは一人日本に残り、
世話係の麦のパパに預けられることになったのよ。
パパさんはあたしを一目見て、
なぜか、ダイエットさせなきゃ、って言いだしてね…。
あたし、こんなに可愛いのに、なぜ?って思ったわ。
でも、パパさんの意思は固かった。
あたしがどんなにお願いしても、絶対におやつもくれないし、
ご飯もチョビットになっちゃって…。
世話係の麦なら簡単に手玉にとれたけど、
パパさんはねえ、それはもう手ごわくて。
そのうえ、キャットタワーなるものまで用意して、強制的に運動させるのよ。
まるで、ニャイザップかブートキャンプか、って。
まあ、でもあの時の強制ダイエットがなかったら、
いまごろ、絶対メタボで死んでるでしょうけど。
何が幸いするかわからないわあ。
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冒頭の写真は、ダイエットに疲れ果てて空き箱で居眠りしているところなんだけど
パパさんが麦に
「肥満猫、永眠す」
ってメールしたもんだから、麦が慌てる、慌てる、
ちょっと、面白かったわ。
にゃ