痛みや苦しさはなかった。
体はフワフワしているのに、チカラが入らない。
浅い呼吸で、ジュンスを見上げる。
俺の血が、、、ジュンスの体に・・・
ジュンスの血が、、、俺の体に・・・
そう思うと嬉しかった。
この間際になって、血の交換をしてくれるとは思わなかった。
『血の交換』
・・・ 言葉でとると、そのままの意味だ。
けれど もっと特別なものだった。
お互いの命を分け合う行為に思えた。
あぁ、、、俺たちは ここまで来たんだな・・・・
もう、、、充分だ。
ジュンスの唇が落ちてくる。
俺、お前のキスが好きだった。
「ユチョナ、、、ありがとう、、、愛してる・・・」
俺も愛してる・・・・
最後に見るジュンスの表情が穏やかで、優しくて、
もう本当に充分だと思えた。
「ユチョナ、、、、」
俺の名前を呼ぶ声が遠くに聞こえる。
段々と視界も霞んでいく。
俺が先に終わるはずだった。
なのに、俺の上でジュンスは消えた。
それは突然で音もなく 『シュッ』 っと消えた。
「、、、っ、、、、っ、、、、、、じゅ、、、、、、、」
ジュンス、、、
静かに俺の目から涙が流れた。
俺の愛したドラキュラはもういない。
もう、、ドラキュラはいない。
先に旅立ってしまった。
早く・・・俺も連れて行けよ。
目を静かに閉じ、その時を待つ。
もう、、終わるはずだった。
「うっ、、、、、、、はぁっ、、、、あ、あ、、」
一瞬、胸が苦しくなって、震える手で胸元を掴む。
手に触れる粉、、、、?
ジュンス?
あぁ、、お前、消えたんじゃなかったんだな。
灰になって、俺の上にいたんだな。
嬉しいのか、悲しいのか、名前の付けられない涙が流れる。
「はっ、はっ、はっ、、、、、、」
ジュンス、、、、、
なぁ、眩しいのはどうしてだ、、、
目も開けられないくらいに眩しいんだ、、、
ジュンス、、、、、俺も行くよ。
体の上の灰を抱きしめるようにかき集めた。
「ジュンス、、、、」
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リアルには かなわない。