「ダメだ。
それだけはダメだ」
ジュンスが小さく頭を横に振る。
「何で?」
「お前は、わかってない。
この体になったら、二度と人間には戻れないんだ。
どんなに後悔しようとも、二度と・・・」
「わかってるよ。
だから、俺は 自分の目に体に記憶を残してまわってるんだ。
ジュンスと同じ時間を生きていきたいから」
「いや、お前は何もわかってない・・」
「わかってないのは、ジュンスだろ?」
ジュンスはギュっと眉間にシワを寄せ、苦しそうな顔で視線を逸らした。
どうして、、、
少しは、喜んでくれるかもという淡い期待があったからこそ、
余計に胸が痛んだ。
「もうやめよう、ユチョナ。
お前は そのままでいいんだ」
「、、、っは?このままで?
ジュンスは 若くて美しいままでいるのに、
隣を歩く俺は、どんどん歳くってくのが?
それが、いいのか?」
「オレは、お前だけを愛してる。
歳や外見なんかは、関係ない」
「、、っざけるなよ!
今だって、俺は ジュンスより10歳以上年上なんだぞ・・」
ジュンスの服を握りしめると、そっと手を包まれる。
俺はその手を振り払って、
着ているシャツの襟ぐりをグイッと力任せに引っ張った。
ビリッと大きな音が響く。
俺は ジュンスに首を差し出した。
「、、それなら、せめて俺の血を吸えよ!
他の人間のじゃなくて、俺の血を吸えよ!」
最後は涙声だった。
今すぐに血の交換をしなくてもいい。
これから時間をかけて説得していく。
けれど、独占欲とでも言うのか。
死んでいった人が知っているジュンスを
俺が知らないのは嫌だった。
「ジュンス、、、俺の血を吸って。
ここ、、、ここに俺の血が通ってる」
ジュンスの手を掴んで首に当てると、
ひんやりとした手がピクッと反応した。
俺は 逃がさないようにギュッと押し付ける。
ドクン、ドクン、ドクン・・・・
自分でも大きく脈打ってるのがわかる。
「ヤメロ・・・」
ジュンスの小さな掠れた声。
「ジュンス、、、いいんだ。
俺は、お前と一緒なら 何も怖くない。」
涙が頬を伝うのも構わず、ジュンスの頭を抱きしめた。
「少しなら、俺は死んだりしない。俺の血を吸えよ・・・」
ジュンスのサラリとした唇が首に触れた。
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