「ユチョナ、ユチョナ!」
どこへ行ったんだ。
この部屋を出た時には止んでいた雪も、再び降り始めた。
風邪でもひいたらどうするんだ。
フロントへ行くと 30分前くらいに出て行ったと。
急いで探そうと外へ出ると、フラフラとおぼつかない足取りのユチョンがいた。
頭にも肩にもたくさん雪が降り積もっている。
「ユチョナ!」
駆け寄って、雪を手で振り払う。
ゆっくりと顔をあげたユチョンは目に涙を溜めていた。
「はっ、はっ、、、ジュンス、、、どこ、、行って・・・」
荒く短い息遣いと、赤い顔。
チカラなくオレの腕にしがみついた手は、足元から崩れて行ってしまった。
「ユチョナ!」
グッタリとオレに身を任すユチョンを抱えて、フロントで医者を頼み部屋に急ぎ戻った。
ガタガタと体を震わすユチョン。
濡れた衣服を脱ぎ去ると、髪の毛まで濡れていた。
「お前、何してるんだ。こんな格好で・・」
湯を張ったボウルで手を温めながらユチョンの着替えをし、
髪の毛を乾かして、ベットの中へ押し込んだ。
熱が出てる。
「じゅん、、す・・・」
朦朧としながらも、オレの名前を呼ぶ。
「ここにいる。もうすぐ医者がくる。」
「はっ、はっ、、、、、ジュンス、、、、おれ・・の・・・」
「なんだ?寒いか?」
「おれ・・・の・・・・ち、すって・・・・」
「は?・・・・」
「ち、、、、すって・・・・」
潤んだ瞳で訴えてくる。
「何を、、言ってる?」
「じゅん、、、、す、、、、はっ、はっ・・・・・」
今、ユチョンは何を言った?
すぐには理解できなくて、でも 胸がギュッと痛んで背筋が冷たくなった。
部屋には、ユチョンの荒い息遣いと、時計が刻む音がカチカチと大きく聞こえていた。
オレはユチョンの枕元に座ったまま声もかけられず、触れることも出来ず、
熱に苦しむユチョンの顔を見ることしかできなかった。
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「ジュンス、、、どこ、、、」
