ユチョンがカーテンの隙間から 外を見ている。
「何かあるのか?」
「ん?あぁ、ごめん」
すぐにカーテンを閉めるユチョン。
「いや閉めなくてもいい。
ここは いつも雪が降ってるせいか、太陽の光があまり届かない。
だから 開けていても大丈夫だ」
「ん、じゃ、少しだけ」
窓際にイスを置いたユチョンは、ボーっと外の景色を見ている。
その姿を俺は、部屋の奥から見ていた。
あの日、泣きながら 「抱いて欲しい」 と何度も手を伸ばしてきた。
本当にどうしたのか、何があったのか・・・・
雪が見たいと言うユチョンの気が済むならと、ここに来たけれど・・・
ユチョン、お前の瞳には何が映っているんだ?
「ユチョナ、コーヒーでも飲むか?」
「うん、ジュンスは?」
「あぁ、オレも飲む」
「じゃ、お願い」
部屋の中にコーヒーの香りが漂うと、カーテンを閉めてオレの隣に座った。
「何が見えた?」
「ん?あぁ、雪だよ」
湯気が立つ コーヒーの入った カップを手に取り、
両手で包み込んで、手を温める。
「他には?」
「何も。一面真っ白な雪しかないだろ?」
「その雪を見てたのか?」
「うん、真っ白でキレイだと思って。
ずっと 温かい所を旅してただろ?何か、新鮮でさ」
「そうか」
「うん・・」
ユチョンは 一口 コーヒーを飲むと、
オレの膝の上にコロンと頭を乗せて、見上げて来た。
「何だ?」
オレはコーヒーカップで温めた手で、額にかかる 前髪を梳いてやる。
「冷たくないか?」
「ううん。温かい・・」
ユチョンが気持ち良さげに頬を緩ませた。
たったそれだけで、空気が優しいものに変わる。
オレは 柔らかなユチョンの表情が好きだ。
心が落ち着く。
このまま 何事もなく、ゆっくりと時間が過ぎて行けばいいのにと思う。
誰にも何にも邪魔をされず、二人で・・・
「ん、、、ジュンスの膝、気持ちいい」
「そうか」
「うん、安心する」
「眠いのか?」
「そうかも・・」
目を閉じて、オレに体をまかせている。
「ユチョナ、ベットへ行こう。ここじゃ風邪をひく」
「ん・・・連れてって」
「甘えんぼだな」
「甘えられるの好きだろ?」
「ふふ、、、子供だな」
「ふはっww もう 30過ぎてるけど」
クスクス笑うユチョンは、まだ 20代半ばくらいにしか見えない。
本人は 毎年歳をとると、気にしてはいるが。
「ユチョナ姫、 どうぞ」
横向きに抱きかかえると、首に腕をまわしてきた。
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外を見るユチョン。絵になる(泣)

ユチョン~、足冷たいね。
