「ジュンス、おはよ」
「・・・え、、、?、、、おはよ・・・・」
なおちゃんが ドールハウスの僕たちを覗き込んでいた。
目をこすりながら、寝ぼけた声で返事をする。
「ジュンス、なんで裸なの?」
「え?・・・・」
「暑かったの?」
「?、、、、わ、わぁぁぁ!」
自分の体を見下ろすと、確かに僕は裸だった。
慌てて、布団で体を隠す。
「あ、そ、そう。暑かったんだよ ///」
「ふぅぅぅん。 じゃ、学校行ってくるね」
「行ってらっしゃい!」
「うん、行ってきま~す」
バタンとドアが閉まった。
僕はそっと布団を捲ってみる。
何で僕は服を脱いだんだろう?
頭をひねりながら、ベット下に落ちている服を身につけた。
「おはよ、ユチョン。今日は寝坊しちゃったね。
もう、なおちゃん 学校に行っちゃったよ」
よいしょ、、、よいっしょ、、、、
ユチョンの体をいつものソファに運ぶ。
同じ大きさの体を運ぶのはチカラ仕事だ。
「はぁーっ、重かった。早くユチョンが動けるようになればいいのに・・」
こんな移動ひとつも大変で。
もしユチョンが動けるようになったら、窓から外の景色を一緒に見ることもできるし、
オルゴールのネジだって巻けるのにって思う。
最近の僕のお気に入り、オルゴール。
なおちゃんが 貰ったのを、僕が気に入って、ドールハウスの近くに置いてくれてる。
僕が聞けるように、ネジを巻いてくれる。
優しいんだよな、なおちゃんは。
忙しくしてても、遊ぶ時間が減っても、僕のために イロイロしてくれる。
僕は なおちゃんが大好きだ。
オルゴールの優しい音。
素朴で、キレイで澄んだ音色。
これを聞くと、心がキラキラに包まれる。
大好きな なおちゃんみたいな 可愛い音に心が安らぐ。
今日もママが外出してる時に、ユチョンと二人で聞くんだ。
ソファに並んで座って、手を繋いで 優しい音色に耳を澄ます。
ユチョン、キミの耳にもこの優しい音が聞こえてる?
ユチョン、キミの心にもこのキレイな音が届いてる?
「ユチョン・・・・オルゴールっていいね・・」
独り言のようにつぶやいた。
いつもと同じ。
僕がどんなに話かけても返事はないんだ。
いいよ、それでも。
少し・・・寂しいけど、キミは僕のそばから離れていかないから。
いつも僕と一緒にいて、僕と同じ時間を過ごしてくれるから。
僕のユチョン。
ユチョンの肩に頭をもたれかかると、ユチョンの柔らかな髪の毛が僕の頬をくすぐった。
動かないユチョンの代わりに、
しゃべらないユチョンの代わりに、
なぐさめてくれるユチョンの柔らかな髪の毛。
「ユチョン・・・・フワフワだね・・」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「ユチョン・・・この肩、気持ちいい・・」

オルゴール 『 PROUD 』
この お話を書いている間、ずっと オルゴールを聞いてました。
他の音を耳に入れると、もう書けないような気がしてww
私も 小学生の時は、オルゴールが大好きで ^^
実家のどこかで眠ってる(笑)
あれ・・・何の曲だったかなぁ・・・
母親が持ってたのは 『禁じられた遊び』 って曲でしたけどww