両手で顔を塞ぐ。
それでもさっきの光景が目に頭にはっきりと刻みついている。
金色の目。
真っ赤に滴る血。
喘ぐ男。
普通じゃない。
そうだ、あれは ドラキュラだ。
はぁ・・・・心臓がまだドキドキと大きな音を立ててる。
「ユチョン、大丈夫?」
「っ!、、、」
「あっはww そんなにビビんなよ」
いつの間にかオレの隣にジェジュンが座っている。
ニコニコと、笑いかける表情は さっきの金色の目をしたドラキュラの顔とは全く違っていた。
それでも 俺は思った。
何で今の間にこの部屋を逃げ出さなかったのか・・・
「だからぁ、そんなにビビんなって。お前には手は出さないって言っただろ?」
それでも声が出ない。
ジェジュンの冷たい手が俺の頬をスルッと撫でた。
「やめ・・・」
情けないほど弱弱しい声しか出ない。
「あっはっはww ユチョン、お前もドラキュラになれる。知りたくないか?」
「さっきの、、人は?死んでない・・?」
「死んでない。死なない程度に血を吸ったからな。
ま、2~3日で元に戻るだろ。」
「、、よかった・・」
「今、フクタロウにオレの血をやったら アイツはドラキュラになる。
見ただろ?血の交換をすればいい。
ジュンスもオレと血を交換した」
「ジュンスも?じゃ・・・」
「だから ジュンスはオレを怒ってるんだ。勝手にドラキュラの体にしたって。
別にさ、もうなったもんはしょうがないんだから 楽しめばいいのに。
なぁ?ユチョンもそう思わない?」
そこに罪悪感はなにもないのだろう。
どこか 子供が拗ねているよな、、そんな幼さも感じた。
「ドラキュラも悪くないよ?ふふ・・ ユチョンもジュンスに血の交換をしてもらえ。
そうしたら 大好きなジュンスと永遠に一緒にいられるぞ」
「一緒に・・・」
「そうだ。灰になって この身が朽ち果てるまで共に・・だ。
ん、、、でも お前の場合は少し大変かもな」
「どうして・・?」
「お前、体が弱いだろ。そういうヤツは、ドラキュラになっても 弱い」
「弱いと・・大変?」
「ま、大丈夫だろ。ジュンスが一緒なら」
さっきまで 吸血に対しての恐怖でいっぱいだったのに、
ドラキュラになれば、ジュンスと一緒にいられる・・・
その事で頭が支配される。
「オレたちは この世で一番美しい種族だ。
そして・・・・悲しく弱い生き物だ。」

ジェジュンが遠くに視線を彷徨わせ、寂しそうな顔をした。
それは一瞬で、すぐに 微笑みを浮かべる。
どんな表情をしても、キレイで絵になると思った。
「ユチョン、、お前も美しいドラキュラになれるだろう。
ジュンスが血を交換してくれないなら、オレがしてやってもいいよ?」
そう言って、また頬を撫でられた。
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