ジュンスが泣いている。
身を起こし、そっとその体を抱きしめた。
一体 どうしたんだろう。
俺の指のアザが、どうかしたんだろうか。
腕の中で泣くジュンスは、とても弱い存在に見えた。
さっきは あんなに怖いと感じたのに・・・
守ってあげたい。
その悲しみを一緒に背負いたい・・・・そう、思った。
「・・・大丈夫?ジュンス、、、何があった?」
首を横に振り、背中に回された ジュンスの腕は かすかに震えていた。
こんなに弱弱しい姿を見たのは初めてだ。
ジュンスの背中を撫でて、少し落ち着くのを待った。
「ジュンス・・・俺がいるから。ずっと、そばにいるから。」
そう言うと、ジュンスの体が再び小さく震えた。
「、、、っ、、、、、ユチョナ、、、ゴメン・・・」
顔を上げたジュンスの目は涙の幕を張り、行く筋も流れてくる。
白い頬に伝い、顎の下にまで涙が滴となってポタポタと落ちてくる。
こんなに泣くなんて、どんなにツラいことがあったんだろう。
見ている自分まで 胸が苦しくなる。
指の腹で涙を拭っても こぼれてくる涙。
泣き顔を見て、そう思うのは おかしいかもしれないけれど、
ジュンスはキレイだった。
「どうして、、、お前まで泣いてる?」
ジュンスが俺の頬に手を伸ばす。
「あ、、、」
自分の顔を触って、自分が泣いていることに気付いた。
「気づかなかった、、、」
「バカだな・・・」
二人で涙を流しながら、微笑みあう。
「ユチョナ、、、、オレは ドラキュラだ」
「うん」
「オレの体は生きていない。それでも、、、それでも・・・・」
言葉を詰まらせながら、ジュンスの顔が苦痛に歪む。
「うん」
「、、、っ、、、ユチョナ・・・・お前を・・・・・お前を・・・・・」
「うん・・・いいよ・・・」
「はぁ、、、、っ、、、まだ言ってないだろ・・」
「いいんだ。俺は・・ジュンスのモノだろ?」
「・・・ホント・・・バカだな・・」
受け入れたかった。
ジュンスの全てを。
「お前を、、、愛してもいいか?」
「うん、、、、うん、、、、ジュンス・・」
どうして涙が流れるのか わからない。
自分の中に、知らない俺がいるみたいに勝手に心が震えてくる。
俺たちは 笑いながら、涙を流した。
初めて、ジュンスが 俺を見てくれた気がした。
二人で抱きしめあって、唇を重ねる。
欲にまみれたキスではなく、慈しむような 優しいキスを。
「俺を 愛してくれ・・ジュンス・・・俺は ジュンスを愛してる」
「・・・ユチョナ・・・・」
ジュンスが また瞳を潤ませる。
行こうジュンス。
ジュンスが行く所に 俺も行く。
ジュンスの隣が俺の席だ。
俺たちは 帰る場所を持たない 旅人となる。
誰の記憶にも留まらない、風のように。
すれ違う人の頬をそっと撫でる、風のように。
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あの、、、こんなベタな・・・って思わないでっ(泣)
ジュンスの涙は とてもキレイです。 抱きしめてあげたい。
