オレは 何のために生きているのか。
いや、そもそも生きてはいない。
それでは 何のために、何をするために この世界に存在しているのか。
長い時間を一人で過ごしてきた。
永遠に続く明日が来ることを うんざりしながら考えていたのは、遠い昔。
遠い、遠い・・・昔だ。
自分がいつから こんな存在になってしまったのか・・・
思い出すのに時間がかかる。
それくらい、長い時間を過ごしてきたんだ。
オレは・・・ドラキュラ。
人の生き血を吸い、生きている。
いや、生きているというのだろうか。
人として生きていたのは 遠い遠い昔。
愛していた恋人が死に、オレも死んだはずだった。
なのに、目が覚めたら こんな体になっていた。
ミッキー・・・何でオレも連れて行かなかった・・・
久しぶりに その名前を思い出した。
人として生きていた頃に愛した男。
後にも先にも 愛したのは あいつだけ。
思い出すと胸が痛くなる。
あいつがいない世界をオレは一人、彷徨うように過ごしてきたんだ。
あぁ・・そうだ。
だから、、、オレは忘れてたんだ。
ベランダから見上げる空には、三日月が出ている。
オレの住む世界は、夜の世界。
昼間の太陽に身を晒すと、灰になって朽ちていく体。
人の生き血を糧に、この身を保ってきた。
何百年も。
想像できるか?
自分が生きるために、人の生き血を吸い取る。
血を飲むことに抵抗があったのは最初だけだ。
渇き、飢え。
喉を掻きむしりたくなるくらいの 飢餓感。
そして、
甘い生き血の匂い。
その喉元にキバを剥き、一口吸い上げる。
濃くて甘い血の味。
一瞬にして満たされる欲。
吸われる人も、恍惚な表情で血を奪われていることにも気づかない。
そして 死んでいく。
オレは ドラキュラ。
こうやって生きて来た。
あいつを忘れなければ 生きて来れなかった。
オレはバケモノだ。
ひとり孤独に、暗い世界を旅して来た。
終わりがない明日を、
決して満たされることのない心の穴を・・・
オレは・・・・何のために存在しているんだ。
三日月を見たからか。
あいつの笑顔を、あいつの笑った目を、、思い出した。
あぁ・・・やめよう。
こんな不毛なことを考えるのは。
考えても永遠にやってくる明日は変わらない。
オレは ドラキュラ。
人に恐れられ、忌み嫌われる存在。
そう、
オレは ドラキュラ。

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ヨロブン あんにょん ^^
突然で驚かれたかとww
こんな真夜中に ふと上から下りてきました。
ほんとなら 『オレのパパ』 の続きを書かねばならぬのに・・・放置ww
生きているのに 死んでいる。
孤独と喪失感。
ちょっと そんな シアキュラを想像してしまいました。
いかがでしょ~ ^^