「僕が・・・ぼく・・が・・・・」
「違うよ、ジュンス」
「だって・・・」
「お前が そんなでどうするんだよ」
動物病院で診察を受けたミッキー。
医者が言うには・・・
ミッキーの体は・・・もう・・・・・・長くないだろうと。
まだ そんな年齢じゃない。
でも 体の機能は老化が進んでいると。
強いストレスか、体を酷使させるようなことがあったかと聞かれた。
僕は・・何も言えなかった。
ミッキーは普通のウサギじゃない。
人の姿になって、僕と・・関係を持った。
人の姿を保つにはパワーがいるのだと以前言っていたのを思い出す。
ここ最近は、人の姿でいることが多くて、ウサギの姿の時は いつも眠ってた。
それが、ミッキーの寿命を縮ませてた?
「僕が・・・ちゃんと・・見て・・・・なかったから・・・ふぅっ・・ぅ・・・・・」
腕の中のミッキーは温かい。
僕の目には 涙があふれて、幾筋も流れていく。
「ジュンス・・・お前はちゃんとミッキーのこと見てた。
大事に大事にしてたじゃないか。」
「だって・・・僕が・・ぅ・・・無理っ、、させて、、、ったんだよ・・・」
「ジュンス、大丈夫だ。
コイツ・・普通のウサギじゃないから、元気になる。な?
お前がしっかりしないでどうする?」
「・・・ぅ・・・ん、、」
ジェジュンに抱きしめられて、その肩に捕まり僕は泣いた。
ベットの上の小さな体。
グッタリと背を丸めて寝てるミッキーのそばで話しかける。
「ミッキー 体、辛い?ごめんな、もっと早く気づいてたら・・・
僕がいない間、寂しかった?
なぁ、ミッキー・・・お前に、、もう お前に寂しい思いさせないから・・
お願いだから、元気になってよ・・・・」
神様・・・お願いです。
ミッキーを助けてください。
このままミッキーと過ごせるなら、ミッキーがウサギの姿のままでも構いません。
ミッキーが大事なんです。
僕の大事な・・・大好きな・・・
もう僕の顔は涙でグチャグチャだった。
ミッキーが助かるなら、人の姿にならなくてもいい。
生きていてくれたらいい。
僕は 祈り続けた。
ミッキーの可愛い姿が目に浮かぶ。
出会った時は子供だった。
その成長をずっと見てきた。
ウサギから人の姿になって、何度も愛を交わした。
可愛いのに、色気があって、男の僕から見ても カッコよくて、
いつも 真っ直ぐな目で僕だけを見つめてくれてた。
おねだりする顔や 拗ねた顔、
フワッと花びらが開いたような華やかなキレイな笑顔、
でも 一番好きなのは 顔をくしゃくしゃにして 笑った顔。
ウサギの姿のままでいいと祈りながらも、
僕の心には、人の姿のミッキーがいた。
低く甘い声で僕の名前を呼び、
力強く広い腕に僕を抱きしめ、
僕を温めてくれた。
愛しくて、いつの間にか 大事な存在になっていた。
ミッキー・・・お前が、ウサギでもよかったんだ。
そばにいてくれたら・・・それだけでよかったんだ。
ミッキー・・・いくな。
僕を置いていくなよ。
目の前のミッキーの姿が涙でかすむ。
「ミッキー・・・・」
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「パパ、泣かないで 笑ってよ」
