「ミッキー!ミッキー!」
いない。
ゲージの中にも ソファーの下にも ベットの上にも。
僕は トイレや浴室まで ミッキーの姿を探した。
「ミッキー!ごめん、怒ったりして ごめん。
お願いだから 出て来て!ミッキー!」
僕は 泣きそうになりながら その姿を探す。
どうしよう。
どうしよう・・・僕に 愛想をつかして出て行った?
アイツ、ウサギなのに。
アイツ、何も知らなかっただけなのに。
広くはない部屋の どこにもいない。
いろんなモノが散らかるだけで、その姿は見つからない。
外を探してみようか。
どうしよう・・・もう、ミッキーに会えなかったら・・・どうしよう。
どれくらい探しただろうか。
疲れてペタリと床に座り込んで、ボーっと視線を彷徨わせた先。
カーテンの裾が揺れていた。
「ミッキー!ミッキー!」
ミッキーはウサギの姿で カーテンにくるまって 体を震わせていた。
「ミッキー・・・はぁ・・・よかった・・・
ミッキー・・・ミッキー・・・・・」
僕は その小さな体を抱きしめる。
よかった。
ミッキーが見つかって・・・よかった。
「ごめんな、僕が悪かった。
お前は 何も悪くないよ。怒ってごめん。
僕を・・許してくれる?」
僕の腕の中で身を縮めていたミッキーが顔を上げ、僕の顔をジッと見る。
「ミッキー・・・ごめん。僕には ミッキーが必要なんだ。
僕の・・そばにいてくれる?」
『・・・・・』 返事の代わりに ピトッと身を寄せてきたミッキー。
温かい・・・・。
こんなに小さいのに 僕の心を体を温めてくれる。
ホントに・・よかった。
今度こそチカラが抜けた僕は ヘナヘナと腰を下ろした。
腕の中の小さな体に顔を埋める。
愛しい。
心の中に温かいものがジワジワと広がっていく。
ミッキー・・・
どこもかしこも散らかった部屋に 僕とウサギのミッキー。
「ミッキー・・・これ、、どうしよっww
でも、もう片付けるチカラ残ってないよ。
寝れたらいいよな?な?うん!明日にしよう!」
ミッキーが何も言わないのをいいことに、
ベットの上にまで散らかったモノをザ~っと落とし、一緒に布団に入った。
「ミッキー・・・大っきくなれよ。
僕が・・・僕がっ ///// 教えてやるから ・・・///// 」
『キュぅっ 』 ウサギの目が細められて嬉しそうに鳴いた。
ミッキーの目を見て話してたのに、やっぱり恥ずかしくて最後の言葉は
口の中でボソボソと消えていった。
ジェジュン、のめり込むなって言われたけど・・もう遅いみたいだ。
僕の中でミッキーは ただのペットじゃなく、とても大きな存在になっていた。
可愛くて 愛しくて 大事な大切な・・・僕の・・・
笑いかけると、ミッキーは布団の中に潜って行き、
股の間 に顔を埋めた。
「ミッキー・・・」
布団がこんもりと大きくなる。
下から這い上がってきた男に僕は微笑む。
「ミッキー・・・お前が好きだよ」
小さなミッキーじゃない、裸の男を僕は抱きしめる。
嬉しそうに顔を崩した僕の愛しいミッキー。
僕はミッキーの顔を引き寄せ、初めて自分から男の唇にキスをした。
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「パパがオレを好きだって!いっぱい教えてくれるって!」
