本当に頭が混乱して、両手で顔を覆うと、
「パパどしたの?具合悪い?」
と心配そうな声が聞こえて、頭を撫でられた。
知らない人に体を触られるのは気持ち悪いはずなのに、
それがどうしてか心地よくて、体から恐怖感が遠のいた。
僕は腹を据え、その男を見る。
「パパ?」
「あの・・・その、『パパ』 っていうのヤメテ」
「だって、ミッキーのパパだから・・・」
「仮に キミが僕のミッキーだとしても、
人の姿をしたキミには 『パパ』 とは呼んで欲しくない。」
「だったら何て?」
「・・・はぁ・・・・ジュンスでいいよ」
「じゅんす?それが パパの名前?」
「・・・・だから、パパじゃないよ」
「ん、わかった。じゃ、ジュンス・・・しよっか ^^」
「は?なにを?」
「交尾。」
「?」
意味がわからなすぎて声も出なかった。
ポカンと開いた口を 唇で塞がれる。
「んっ!」
ビックリして僕の目は真ん丸に見開かれる。
キ、キ、キス・・・キスしてるっ
僕に覆いかぶさる男の顔を引き剥がそうと、
男の頭を持った時に その耳に触れた。
男の頭についている長いウサ耳は取ってつけたようなモノではなく、
その男の頭から生えていた。
その耳を引っ張ると、
「痛った・・」 と唇を離した。
「マジで・・・?」
「うん、マジ ^^ 」
「僕の・・・ミッキー?」
「うん、パパの・・じゃなかった ジュンスのミッキー。
ほら、胸のとこにも 同じ形があるでしょ?」
指を差した場所には ウサギのミッキーと同じ形のアザがあった。
「マジか・・・何がどうなって・・・」
「よかった ♪ これでオレだと信じてもらえたよね ^^」
目を細めて笑う顔。
確かに その表情には見覚えがあった。
ウサギだったけど。
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「パパ、交尾って知ってるよね ♪」
