どうしてか、ジュンス王子に言ってみたくなった。
こういうのを征服欲とでも言うのか。
恥ずかしがって、嫌がるジュンス王子も可愛く思ったが、
ジュンス王子に言わせてみたかった。
俺が欲しいと。
俺じゃないとダメだと。
・・・勝手だな。
今の関係を壊す恐れもある状況なのは、俺のせいだというのに。
王に・・・父に何度 話しても無駄だった。
一時の熱に浮かされてるだけだと。
・・・そんなんじゃない。
なぜ わかってくれないんだ。
ジュンス王子の手を離すくらいなら、いっそ・・・
何もかも捨てて、二人で新しい世界に飛び出してしまいたい。
そんな思いが膨らんで、つい口に出してしまった。
「このまま・・二人で どこか、遠いところに行こうか」
「え?」
俺の腕の中にいた ジュンス王子が、目を丸くして俺を見た。
そして、体を固くして背中を向けた。
「なん・・で?」
「・・・ん、、、ただ 誰にも邪魔されずに ずっと二人でいられたらと思って」
ジュンス王子は ますます体に力を入れて小さくなった。
その反応に驚いたのは俺の方で、ジュンス王子を引き寄せ抱きしめた。
「ジュンス王子、どしたの?」
「・・・」
わずかに体が震えている。
「・・・けっこん・・・するの?」
「え?」
今 何て?
ジュンス王子を仰向かせ顔を見る。
ジュンス王子は唇を噛みながら、目にいっぱい涙を溜めて チカラなく俺を見上げた。
「しない。結婚なんて、しない。」
俺は ジュンス王子が知ってたことに驚きながらも、自分の気持ちを伝えた。
俺の言葉を聞くと、クシャっと顔を歪めた。
その瞬間に、目から溢れた涙がこめかみを伝って幾筋も流れていった。
「ごめん。ジュンス王子っ、、ごめんっ」
ジュンス王子を抱きしめて、何度も つぶやいた。
知ってたんだ。
だから、あんなに・・・
思い当たることは たくさんあった。
けれど俺は自分の想いだけに囚われて、ジュンス王子の気持ちまで思いやれなかった。
バカだ。
俺は・・・ホントにバカだ。
不安だったろう。
それなのに俺を、まるごと受け入れてくれたジュンス王子。
何度も 『僕はココにいる』 と俺の瞳を覗き込み、温めてくれた。
愛しくて、その想いが切なくて、胸が痛い。
ギュウっと心臓が締め付けられる。
ジュンス王子・・・・
「・・・・・ホントに・・ごめんな。」
声まで震えてくる。
愛しくて、愛しくて・・・・そして 自分が情けない。
「うん、僕の方こそ・・泣いたりして、、ごめん」
俺の胸に顔を埋めていたからか、鼻の頭が赤くなってる。
涙をぬぐうと、大丈夫だと 笑顔を見せたのに、俯いた顔は悲しげだった。

こんな顔をさせたかったわけじゃない。
好きで。
ただ、ジュンス王子が好きで・・・一緒にいたいだけだ。
どうして それが叶わない?
俺が・・・王子だからか?
それなら・・・
それなら、王子という肩書なんかいらない。
国は・・俺がいなくても、弟がいる。
俺には ジュンス王子が必要なんだ。
俺の心は次第に その想いに占領されていった。
先の事が見えず、
ジュンス王子を失ってしまう想いだけに 囚われていた。
「ジュンス王子、、俺と。俺と行かないか?」
「・・・行くって、どこへ?」
「どこへでも。ジュンス王子と一緒なら、俺はどこでも生きていける。」
『うん』 と頷いてくれ。
そう願いながら ジッとジュンス王子の瞳を見つめる。
けれど、ジュンス王子は首を縦には振らなかった。
「ダメだよ・・・そんなこと・・・・できない。」
「なんで?じゃ、どうしたらいい?どうしたらいんだよ!」

心の中に絶望感が広がっていく。
どうして・・・・
どうして ジュンス王子は・・・
俺がジュンス王子を想い、必要とするほど、
ジュンス王子は 俺を必要としてないのか?
心が冷えてゆく。
お前さえいれば・・・俺は・・・・
苦しい。
「ユチョン王子・・・少し、時間が欲しい。
簡単に答えは出せないよ。ね?だから・・・泣かないで・・・」
ジュンス王子・・・お前だって、涙で頬が濡れてるじゃないか。
『うん』 と頷けよ。
苦しくて。
諦めるのは上手なはずなのに、苦しくて。
俺は初めて 欲しいものに手を伸ばそうとしていた。
もがいて、みっともなくても、手に入れたかった。
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やっぱね、欲しいものは 待ってちゃダメだよね。
自分で勝ち取りに行かなきゃ。
ましてや 簡単に諦めちゃダメ。
でも、時期っていうのもあるからねぇ。
私も、ライブに行けるようになるまで イロイロありました。今もイロイロあるけど(笑)
でも、絶対に行きたかったの。
そのために働きに出て、綿密に計画を練り、味方を増やし、旦那と戦ってます(笑)
あの時、そして今も 諦めないでよかったと。
あ、お話の方はねぇ、なかなか上手く転びません(泣)
頭の中では最後までの展開はできているのですが ^^;
文字にするのが難しい・・・
所詮、私のチカラなど こんなもんす(泣)
自己満足の世界に お付き合いいただいて、ありがとうございます (TωT)