「これから どこ行くの?」
「ん~ ちょっとドライブでもしようか。」

夕暮れ時、ユチョン王子の車でちょっとしたドライブ。
車の中で流れる曲に乗せて、いつの間にか鼻歌を歌っていた。
「ね、ジュンス王子」
「ぅん?あ、ごめん、うるさかった?」
「あれ歌って?俺たちが初めて会った日に歌ってた曲」
「ぉおん?」
「ほら、戴冠式で歌ってたやつ」
「あぁ!
でも・・・改めて歌うの恥ずかしいよ/// うはんうはんww」
「俺・・あの日 ジュンス王子を好きになったんだ」
「え?そなの?」
初めて会った日?
(カーっ////// )一気に顔が火照っていくのを感じる。
それって、それって・・・・
「ユチョン王子・・・」
「そ、俺 ジュンス王子に一目ぼれだったの」
そんなに前から・・・
そっと 運転するユチョン王子を見ると、すごく優しい表情をしていた。
その横顔を見て、キレイだと感じる。
長く上向く睫毛とか、形のいい鼻とか・・唇、、とか。
男の人なのに、とても キレイだって思うんだ。
でも、その整った顔が 笑うと ふにゃっと崩れる様が一番好き。
ほら、また僕の心臓がドキドキと音を刻む。
ユチョン王子を好きだとうるさいほど、訴えてくるんだ。

「ジュンス王子・・・見すぎ。俺 そんなにカッコいい?」
「っ!そ、そんなに見てないよ!」
「そ?ふはっww」

赤くなった顔を見られたくなくて、プイッと窓の外に顔を向けた。
河川沿いを走る車。
夕日が水面をキラキラと きらめかせ、別の顔を見せる。
「キレイだな・・」
僕は 夕日が好きだ。
オレンジ色に染まった太陽が、水平線の向こうに消えていく。
水面を染め、空を染め、雲を染め、最後の最後まで ありったけの光を放って、静かに消えていく。
その太陽の見事な演出に いつも圧倒される。
一日の終わりは、こんなにも美しい。
静かに車が止まり、ユチョン王子に誘われて車を降りる。
「たまには、こんなデートもどう?」
「ユチョン王子は どして 僕が好きなものを知ってるの?」
「ふふww ジュンス王子が好きだから ^^」
「なにそれ、答えになってないし ///」
顔を見合わせて笑っていると、ユチョン王子が左手を差し出した。
「ん?」
「ジュンス王子、手・・つなごっか」
僕は 周りに人がいないか、見渡して そっとユチョン王子の手を握った。
ユチョン王子の手は 僕の手より少し大きくて、優しく包み込まれた。
恥ずかしかったけど、、、
まるで 普通の恋人同士みたいで、ジン・・とくるような幸せな気持ちが触れ合う手から体に広がっていった。
ユチョン王子は、僕に一目ぼれしたって言ってたけど、
今は、きっと・・・僕の方が ユチョン王子を好きな気持ちが大きいよ。
幸せで。
こうやって ただ同じ時間を過ごすだけで、胸の中がユチョン王子でいっぱいで、
僕はどんどん欲張りになっていく。
このまま ずっと こうしていたい。
静かに流れる時間。
ゆっくりと日が沈み、辺りが暗くなる。
「ジュンス王子、太陽が沈むと どして暗くなると思う?」
「え?夜がくるから。」
「太陽がね、瞳を閉じて 眠るからだよ。」
「?」
ユチョン王子の言ってる意味がわからず、首をかしげると、
ゆっくりと ユチョン王子の顔が近づいて・・・
あ、この表情・・すき・・・
僕は、目を閉じて ユチョン王子の唇が重なるのを待った。
瞳を閉じた暗い世界に、ユチョン王子がくれる 温もりが僕の体に灯をともす。
「ジュンス王子、太陽が目を覚ますまで一緒にいようか 」

「う、うん /// 」

ね、太陽。
明日は、うんと 朝寝坊しても怒らないから。
ゆっくりと眠りなよ。
僕は 僕たちが望む限り、手を繋いでいられると思っていたんだ。
けれど 夜は朝を連れて来て、太陽は目を覚ます。
この幸せな時が永遠でないことを、僕は まだ知らなかった。
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ヨロブン、あんにょん ^^
なかなか、お話の更新ができず すみません。
待ってくださる 少数派のみなさま、いつも温かい目で読んでくださってありがとうございます。