読者が選ぶ2016年映画ベスト10 “私の洋画部門”
前の記事に続いて~
読者が選ぶ2016年映画ベスト10
私が選んだ洋画は~
洋画部門
1位「スポットライト 世紀のスクープ」
これこそがジャーナリストだと胸のすく思いとともに、
私たち市井の人々の声を代弁し、そして私たちに真実を届けてくれる
記者たちの地道な調査こそがスクープを生むのだと改めて感じました。
ともすれば結果ありきの取材もある中で、記者たちの良心
そして矜持に拍手を送ります。
2位「ハドソン川の奇跡」
映画を観る直前に、TVで事故のドキュメンタリーを観ていたのですが
映画は状況をより判りやすく伝えるとともに、機長や副機長の判断を問う
査問会の様子を丁寧に描き、緊迫したやりとりや事故の様が交互に
描かれる演出も緊張感を生んでいました。さすがのトム・クルーズ、
そしてクリント・イーストウッドでした。
3位「ザ・ブリザード」
事実に基づいて描かれた映画は、やはり重みがありました。
あまり話題に上らなかったように思いますが、この作品を挙げたのは
なんといっても座礁したタンカーの機関士を演じたケイシー・アフレックの
演技が素晴らしかったからです。
船の運航を一番よく知る機関士である、一匹狼のような彼が
やがてはリーダーとなり船員を救うことになるのです。
その冷静で的確な判断のなんと頼もしいこと!
兄ベン・アフレックとは違って、正統派というより、少し影のある役を
演じることが多く、世の中に馴染めない屈折した表情に漂う憂いが
心に残る彼ですが、年齢を重ねて、繊細ながらも厚みのある演技が
光りました
今回、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」でゴールデングローブ賞を
受賞し、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされたケーシー・アフレック。
その作品に繋がる演技を「ザ・ブリザード」でも見せています。