“殿、利息でござる!”
チラシやポスター、予告編を見た限りでは
(原作読むのが間に合わなかったので><)
仙台藩吉岡宿の人々が、知恵を絞り、頓智を効かせて
藩からの重税になんとか対抗する~
阿部サダヲのこの表情を観たら
笑いに包まれた、そんなコミカルな話だと思っていましたが
涙あり、笑いありの予想を裏切る内容でした~
仙台の旧市内の高台からも(私の実家付近でも)
遥かに並ぶ七つの山、七ツ森
その麓、吉岡宿(現在の大和町)で実際にあった
実話がもとになっています
原作は大好きな磯田道史先生の著書
『無私の日本人』の中の一編
“穀田屋十三郎”
昭和の初期まで
日本には“私財を”投げうって慈善に尽くした
篤志家と呼ばれる人々が確かに存在しました
この話は少しでも持てる人たちが
家財を売り払い、まさにすべてを投げ出して
貧しい町と人々を救った話です
今まで何気なく見ていた七ツ森でしたが
江戸の時代に
事成し遂げて、見上げていた人々の
穏やかで晴れ晴れとした笑顔が
重なるようでした
重税をかけながら、自分は節税に走る政治家
国民のほうを見ていない政治家
日々の政治のニュースは
諦めにも似た気持ちになる出来事で溢れてますが
東北の貧しい宿場町に、かつてこんなことがあったという事実は
市井の人々にも大きなものを動かすことができる力があるのだと
感じさせてくれるものでした
シーン撮影時まで出演者には
誰が演じるのか知らせれなかった伊達重村
羽生君は、その存在感までもが殿様!
ぴったりでした~
監督に熱心に質問をし
OKが出てもやり直したという羽生君
監督さんも今の若手俳優にも
その姿を見せてやりたいと語られてました~
鑑賞日;2016年5月14日