みをつくし料理帖第八弾 残月
現代の食関連の小説を読んでいたら
無性に“みをつくし料理帖”が読みたくなって~
残りの巻を読んでしまうのが勿体なくて
遺して置いた“残月”
今回は又次の想い出の回でもあり
読みながら胸がいっぱいになります・・・
迎え火を焚いて又次を迎えるつる屋の人々は
人のいない膳を見て
又次の姿を追い求め
又次の料理を思い出し
そこに居るはずの人が居ないという
どうにもならない喪失感を味わいます
澪と野江
芳と息子佐兵衛、そして柳吾
運命の輪も動き出します
又次の初盆を迎え
明日が送り火を焚く日であることを悲しふきに
種市がかける言葉が胸に響きます
“この齢になってわかることだが
残された者が逝っちまった者のために
出来ることは、そう多くは無ぇのさ。
中でも大事なのは、心配をかけないってことだ。”
“そのことを大事に胸に留めて
毎日を丁寧に生きようじゃねぇか。
身の回りの小さな幸せを積み上げて
なるたけ笑って暮らそうぜ。
そういう姿を見て、始めて、亡くなった人は
心から安堵できるんじゃあねえのか。”