エヴェレスト-神々の山嶺- | XIAHSTAR

エヴェレスト-神々の山嶺-



公開から1週間経って

ようやく観に行くことができました~







私とsechunが見た回は客席147のスクリーンでしたが

(今週は75から253人まで回によってスクリーンが

移動になっています~)


ほぼ中高年で埋まり、そのほとんどが男性客!


近年、洋画でも邦画でも

公開から1週間も経つと、ぐっと観客が減る映画が多いので

埋まっていたほうだと思いました


終了後に出ると、次回上映に並んでいた人もいました




原作を2回、コミックを1回

漠さんの関連小説やエッセイ

宣伝インタビューが掲載された雑誌に

シナリオまで読んで

頭の中がエヴェレストでぎゅうぎゅうになっていたので

評論家みたいに観てしまわないかが心配でした



羽生を演じられる俳優は限られている


岡田君がそう話していたように

阿部さんは、その目で

まさしく羽生を体現していました


マロリーのカメラから

偶然・・・もしかしたら引き寄せられて

羽生と知り合うことになる深町


深町を原作よりも野心家でやさぐれた感じを出したことで

羽生が人を寄せ付けない孤高の天才登山家でありながらも

どこか人間味を感じさせる人物になり

何故深町が追うようになるかの背景が

原作を読んでいない人にも

判り易かったのではないでしょうか


圧倒的な厳しさで

登山家達の前に壁のように聳え立つ

エヴェレスト


山々の上に

さらに空に突き刺さるすようなその姿は

忽然と人の前に威容を見せます




2時間という時間の中に

原作の全てを埋め込むことが

難しいことは承知の上で

映画は羽生と深町の

人間を描いていったのだと思いました



少し前に“ブリザード”という

実話に基づいた3D映画を観たのですが

タンカーの船員たちや

救助に向かう警備隊員たちに襲い掛かる

波や風雪のCG等によるブリザードの描写よりも

なんとか船を沈めないようにと

最後まで諦めないタンカーの一等機関士の想いが

印象に残ったように




神々の山嶺の前は

人は吹き飛ばされてしまう小さな存在だけど

山に臨みながら

羽生も深町も

自分の生き方に真っ直ぐ向き合うことになる


何故登るのか

何故生きるのか


所詮死ねばゴミだと羽生は言ったけれど

羽生を追い、その死を見届けることで

深町はある意味成長する



観終わったあと

「まるでドキュメンタリーのようだった」と言ったsechun


演技を超えたところで人に届くもの

心のなかで何かが渦巻くのを感じる

そんな映画だった



前にも書いたけど

エヴェレストに登頂したことのある

登山ガイドをしている友人も

“人がなんのために生きているのかを鋭く問うているところが

単なる冒険映画と違うところなのだろう”

と感想を述べてました

それと、“羽生が使っていたアックスが

年代を感じさせるものだったが、

それがまた真実味があって実によかった”と



怪我をして下山するときに深町が羽生に残した

干しぶどうとチョコレートを

死んだ羽生の声によってポケットから見つけて

疲労困憊の深町が食べるシーンが無かったのは

ちょっと残念~


“単独”にあくまで拘った羽生のエピソードとして

描かれてもいてもよかったかな~~~と










鑑賞日;2016年3月19日