救いたい
今月11日で4年を迎える東日本大震災
姪や父の地震直後のことは
聞いていましたが
先日実家に行ったときに
初めて弟にその時のことを尋ねました
丁度弟は仕事で
仙台市内中心部の
ビルの1階トイレにいたそうです
激しく揺れる建物
周囲からはガラスの割れる音や
悲鳴が聞こえてきて
揺れがおさまるのを待ちながら
弟の頭をよぎったのは
2月にニュージーランドで起きた
語学学校の日本人留学生が
犠牲になった大地震
今自分がいるのも1階
このまま建物が崩れれば
下敷きになって死ぬんだろうな
なかなか死体も見つからないだろなと
揺れがおさまって外に出ると
避難場所の勾当台公園は
入りきらない人々で
溢れていたということです
そして、それからも続く余震に
もっと大きい本震が来るのではないかと
恐怖だったそうです
そして、地震直後は
あれほどの津波が襲っていたことなど
情報もなく、全く判らなかったと
この映画は仙台市内で勤務している
麻酔科医の実話に基づいたものです
病院内での麻酔科医の実情がテーマのような
副題がついていますが
内容は主人公の麻酔科医の妻と
仙台市内の医院を休業して
被災地に診療所を開設した夫と
二人に関わる人々の
震災後を描いています
語られるエピソードのなかで
胸を締め付けられたのは
夫を震災で亡くし、夫の母と暮らしながら
被災地の医療を担う看護婦
嫁に新しい一歩を踏み出させようと
自分の世話はもういいからと
家を出るように諭す夫の母の言葉に
夫の死を受け入れられない妻は
一緒にいさせて欲しいと慟哭します
この家にいることが夫と暮らした唯一の証
身をよじり悲しみを吐き出す姿
妻役の中越典子さんと
義母役の藤村志保さんの演技は
強く心を揺さぶりました
鑑賞日;2014年12月12日