“クリスマス”(2014年12月の読み聞かせ)
ハグくまさんが大好きな森の木が
モミの木のようだったので、導入に読みました。
「ハグくまさん」 ニコラス・オールドランド
訳:落合恵子
出会ったものなら
どんなものでも抱きしめてしまうハグくまさん。
なかでも好きなのは、おおきな木でもちっちゃな木でも
森の木々を抱きしめること。
ある日人間の男がやってきて
ハグくまさんが大好きな木を切り倒そうと
オノを振り上げました。
初めてハグしたくないものと出会ってしまったハグくまさん。
怒りで飛びかかりそうになりますが
ハグくまさんにはやっぱりできません。
思わず、ハグくまさんがとった行動は?
世の中にある様々な争いごと。
ハグくまさんの行動が教えてくれるものは
決して小さくないと思います。
驚いて逃げていった人間の男が
ハグくまさんの心の内をしっかり判ってくれますように!
「ビロードのうさぎ」 マジェリイ・W・ビアンコ
絵:翻訳 酒井駒子
クリスマスのプレゼントに男の子がもらった
ビロードでできたうさぎ。
最初は喜んだ男の子も高価なおもちゃや
機械仕掛けのおもちゃに夢中になって
いつしかうさぎは、おもちゃたちの並ぶ棚のすみに
置かれます。
おもちゃたちが言い争う「ほんもの」の意味を問ううさぎに
そこで出会ったウマのおもちゃは
「心から大切にされ、子どもの本当のともだちになった
おもちゃがなれる」と教えます。
男の子が大事にしていたぬいぐるみの替わりに
男の子のベッドに連れてこられたうさぎは
遊ぶのも寝るのも、どこへ行くのも男の子と一緒でした。
男の子が病気になったときにも、ベッドにもぐりこみ
男の子を楽しませ元気づけました。
男の子から大切にされ、「やっと、ほんものになれた」と
思ったうさぎでしたが、男の子との別れは突然にやってきます。
うさぎが流した悲しみの涙は・・・
クリスマスから始まる物語です。
酒井駒子さんの絵は力強く温かく、
うさぎがなりたかった“ほんもの”の意味を伝えているようようです。
まるでうさぎの心を映しているような緑色の瞳も印象的です。
“子どもべやにはときどきふしぎなことがおこる”
すべての子供たちが
そんな奇跡を信じられる世の中で生きられることを願って。