“軍師官兵衛を語る”(by松坂桃李)
昨夜の“軍師官兵衛”は
官兵衛が幽閉されている時よりも
もっと重苦しい気持ちになりました
弟とも思っていたであろう聡明な別所長治
軍師として非情にならねばと
心を鬼にして降伏を迫る官兵衛
入江君の言うように
“地獄の使い”と自分で言いながら
降伏を承知する長治を見つめる官兵衛の瞳には
冷徹よりも深い悲しみが宿っているように見えました
命乞いをする政職
以前の主君の哀れな姿を
官兵衛はどんな気持ちで見つめていたか
怒りも情けなさも
官兵衛の背中が物語っていました
この岡田君の背中だけを映す演出
溢れる言葉よりも雄弁でした
声を限りに太刀を振り下ろすことで
切ることができなかった主従関係を切れたのか
政職が逃げたあと
ひとりに庭に座り
涙を抑えることができなかった官兵衛の胸に去来したものは
お紺に託された想いを遂げることができなかった後悔
嫡男斎を見守ると誓った若き日の気持ち
自分の力を見出してくれた政職への恩儀
最後の方で
官兵衛は自分を救い出してくれた
善助、九郎右衛門、太兵衛に
“土牢のなかできっと助けにきてくれると信じていた”と
改めて助けてくれたことに感謝します
生きて帰ってこれたことへの深い感謝と
たくさんの死の上に自分たちの命があること
命が繫がっていくこと
“永遠の0” に重なりました
自分には、信頼すべき家臣がいて
その信頼の絆は自分と家臣たちが育ててきたものであったわけで
それが政職との間には自分が家臣として築けなかったこと
自分の至らなさも悔しかったはず
その後官兵衛は政職の嫡男氏職を
家臣に召抱えます
これもまた官兵衛の義と情なのだと思います~
黒田家はいくつかの紋を使用していましたが
今回家紋とした三つ藤巴紋は
幽閉中の官兵衛が土牢の明かり取りの窓から見えた
藤の花に慰められて辛い日々を乗り切ったということから
自ら制定したと伝えられていますが
もともと藤の花は小寺家の紋にも使われていたことから
黒田家を重臣に取り立ててくれた小寺にも配慮したという説もあり
それはそれで、官兵衛の律儀な心を表すものだと思います~
今回の“軍師官兵衛を語る”は
長政役の松坂桃李君です~
史実に記されていない
長政の感情大切にしたい
どこか演技に対する姿勢が
岡田君とも似ていると思う桃李君~
父と子の揺れる心が楽しみです
桃李君のインタビューはこちらから
↓
http://www1.nhk.or.jp/kanbe/special/talk.html#2014615