“そして父になる” | XIAHSTAR

“そして父になる”


“そして父になる”


これから本当の父親になっていく
一人の男性の成長の物語です












父親が子供を見つめる眼差し
子供が父親を見つめる眼差し

それは
時に慈愛に満ちた優しさで
時に残酷なほど辛らつで

登場人物それぞれの眼差しが
言葉よりも雄弁に語られている
そんなシーンがちりばめられています

突き放したような視線が
やがて暖かなものに変わっていく

鼻持ちまらないエリートビジネスマンを
福山雅治が憎々しいまでに演じてます

雄大を演じるリリー・フランンキーがぴったりで
頼りなさそうで、いい加減そうに見えるのに
実は本当を生きている

福山演じる良多に語る言葉が
胸に響きます

雄大の子供と言わず人に対する柔らかさは
実は良多が常々慶多に感じている
物足りなさの訳に直面させるものでした


“やっぱり・・・そういうことか”


凄いセリフです


私がみどりだったら
同じように良多を責めたと思います



境遇が違っても
痛みや戸惑いを二つの家族で
ともに乗り越えていこうとする
母親のたくましさを
真木よう子(雄大の妻ゆかり)が真っ直ぐに
気風良く凜と演じ

夫に遠慮しながら従ってきた妻が
揺れながらも一歩踏み出していく
戸惑いながら強くなっていくさまを
尾野真千子が体現しています












慶多と良多

二人の歩く道が
最後の最後で交わって
観客はほっとした余韻に包まれ
未来を感じさせながら映画は終わります

これが是枝ワールド~☆



背中をさするシーンが
いろんな場面で出てきますが
想いを優しく包み込むように
さする手の平が痛みを取り去るように
自分にもあったその感触を想い出しました





鑑賞日;2013年9月29日