ライフ オブ パイ

動物園を経営していた父母と兄,そして動物たちとともに
インドからカナダに移住するために乗った貨物船が
(保険が日本の会社のようなので,日本船籍なのでしょうか)
太平洋の真ん中で嵐に遭い,遭難してしまいます

CGで描かれたベンガルトラ
“リチャード・パーカー”の表情がいい
獰猛な野獣の表情でありながら
哲学的な静けさをもち
ときに,少年との航海のなかでの必死な表情が
ネコのように可愛いのです

パイ少年の叔父から紹介されて
自分の小説の創作のために
パイ少年の冒険物語を聞くために訪れた小説家に
大人になったパイ少年が当時を回想するというかたちで
物語は進んでいき
最後にもう一つの物語が明かされます
もう一つの物語は
パイ少年の目の前で起こった
狂気ともいえる残虐なもの
どちらの物語が真実なのか
最後に明かされた物語がより真実に見えるのは
ある短いシーンで登場するフランスの名優
ジェラール・ドハリデューの存在感
どちらの物語を選ぶかパイは作家に尋ねます
もう一つの物語が真実だとしたら
それを乗越えて生き延びたのは
パイ少年の勇気と英知
良いと思う宗教を自分の感じるままに取り入れていく柔軟さ
名前ゆえのいじめを克服していく姿だにも
漂流を生き延びた彼の英知がみえます
パイ少年を生還させた勇気と英知の化身こそ
チャード・パーカーなのかもしれません
原作が読みたい~☆
鑑賞日;2013年2月1日