FKの名手
フランスのGKが前に出てくるタイプというのは
素人の私たちが見ていても判りましたが
宮間選手のFKがファンブルを誘うブレ球~
そして2ゴール目は
これがあったからこそ
GKは張り付いたまま前に出てこなかったから
奪えたともいえるとは~
左右どちらでも蹴れるFKの名手は
決勝戦では元チームメイトのソロ選手を
研究尽くしているのでしょう~
耐えたなでしこ、悲願達成=主将宮間のFK決め手―サッカー女子〔五輪・ハイライト〕
8月7日 7:55
時事通信
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http://london2012.goo.ne.jp/column/jiji2012c-120807F383.html
見る者の心を揺さぶる試合だった。パスサッカーで制した会心の勝利ではない。違ったなでしこらしさで逃げ切った。「全員守備、全員攻撃」を体現、耐えて粘って悲願のメダルを手にした。
先制点は前半32分、大儀見が反則を受けて得たFKから。宮間が蹴ったボールを相手GKが手からこぼす。詰めていた大儀見が、倒れ込みながら左足で押し込んだ。
一見相手の単純ミスだが、実は違う。宮間はフランスGKの動きを1次リーグの映像で研究した。自信を持ってプレーするあまり、位置取りが前のめりになる傾向をつかんだ。「FKでキャッチミスを誘って押し込もう」。名手は巧みに回転をつけた球筋で蹴った。大儀見と事前に話し合っていた通りのゴールだった。
後半4分の阪口の追加点も宮間のFKから。「マークを外すのが分かったので、合わせるだけだった」。阪口の一瞬の動きを見逃さず、正確なボールを供給、追加点を呼んだ。心技体そろった主将が、少ないチャンスを生かし切った。 フランスには五輪直前の強化試合で完敗。高さや強さで圧倒されたが、身体能力の差ばかりは本番では埋まらない。
この日も後半25分すぎから一方的に攻め込まれ、日本は自陣にくぎ付け。後半31分に1点返され、PKのピンチを幸運にもしのいだ。いつ追い付かれてもおかしくない展開。それでも、勝機を逃さないスタイルと精神的な粘りで、劣勢を切り抜けた。
北京五輪で4位の悔しさが、ロンドンでメダルを目指す出発点。その通過点に昨年のW杯優勝があった。「ちょっとの差で、フランスより勝とうという思いがあった。きょうの勝利は感無量」と佐々木監督。執着心は、2冠の懸かる米国との決戦でも試される。
(時事)[時事通信社]
〔日本代表最新ニュース〕
▼ファンブル誘ったブレ球FK、決勝へ宮間「人生を懸ける
(12/8/7 06:11)
KODANSHA ゲキサカ

[8.6 ロンドン五輪準決勝 日本2-1フランス ロンドン]
ラッキーゴールではなかった。狙いどおりのブレ球がGKのファンブルを誘った。日本女子代表(なでしこジャパン)のキャプテンを務めるMF宮間あやがFKで2点を演出。チームを五輪初の決勝へ導き、悲願のメダル獲得を確定させた。 前半31分、ハーフウェーラインを少し越えた位置でFKを獲得。ゴールまではまだ距離があったが、宮間は低い弾道のストレートなボールを蹴った。ゴールを空けて飛び出したGKブハディはキャッチしようとしたが、後方にファンブル。ブレながら揺れるボールをキャッチし切れなかった。
こぼれ球を押し込んだFW大儀見優季は「GKは自信を持って前に出てくる。それで(宮間)あやがあえてブレ球を蹴ってくれた。こぼれて来るのを狙っていた」と胸を張る。大会直前の親善試合でもフランスとは対戦していたが、宮間は「オリンピックでの試合を見て」GKの癖を見抜いていた。 この先制点が伏線となり、2点目も生まれた。後半4分、同じような位置でFKを獲得すると、今度はGKが前に出てこなかった。宮間のキックに後方から走り込んだMF阪口夢穂がフリーでヘディングシュート。大儀見は「2点目のシーンはGKがビビッて出てこなかった」と言った。
らしくないパスミスもあった。それでもキャプテンという責任を背負い、重圧と闘いながら宮間はピッチ内外でチームを牽引している。この日の試合前にはロッカールームで「素晴らしいみんなと、素晴らしいウェンブリーという舞台に立てて、私はすごくうれしい」とチームメイトに語ったという。
佐々木則夫監督は「率直に感動を選手に伝えてくれて、一人ひとりの思いも同じだったと思うし、彼女の言葉がみんなに火をつけた」と指摘。そのキャプテンシーに感謝した。 試合後は涙も見せた宮間。「いつも思うのは、みんなの背中が頼もしくて、みんなを誇りに思うし、ここに自分が立てていることも誇りに思う」。最高の仲間たちと成し遂げた悲願のメダル獲得。
しかし、「いろんな意味で、最後だと思ってやっている」という今大会での最終的な目標が金メダルであることは変わらない。「決勝に立つための準備はクリアできた。明々後日の試合に、今までの人生を懸けたい」。8月9日、決勝戦。最高の監督、最高のチームメイトとともに、再びサッカーの聖地に立つ。
報われた大儀見の献身=挫折経て、変身―サッカー女子〔五輪・サッカー〕
8月7日 7:33
時事通信
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http://london2012.goo.ne.jp/news/jiji2012n-120807F382.html
FW大儀見が貫いた献身が報われた。好機が少ない守勢の試合。前線で耐え、打開を試みた。前半32分。フランスGKがはじいたこぼれ球を、なだれ込むように押し込んで先制。後半は阪口の得点だったが、日本の2ゴールはともに、大儀見が倒されて得たFKからだ。
中盤に下がってボールに触りたい衝動を、懸命に抑えた。ボールを持っても、体を張って攻撃に切り替える時間を稼ぎ、相手のファウルを誘った。「一人一人が役割に責任を持っているから」。そう仲間を信じ、ゴールへとつながる糸をたぐり寄せた。 初優勝した昨年の女子ワールドカップでは活躍できず、苦い思いが残った。
個人主義色の強いドイツでもまれ、ゴールすることが全てだと思ってやってきた末に挫折。それから1年が過ぎた。
「去年とは違う。ゴールだけではない仕事を、チームのためにできているから」。私生活では結婚があった。変わることのできた自分が、誇らしい。準々決勝のブラジル戦に続く先制ゴール。きっちりストライカーの役割も果たした。「結果を残そうとしていないのに、残っている」。気持ちが伝わる言葉だった。