わたしのいもうと

7月の読み聞かせで
この絵本を読みました
“わたしのいもうとの,話を聞いてください・・・・”
作者の松谷みよ子さんのもとへ届いた
一通の手紙がこの絵本を創りました
いじめられ,心を閉ざし
死んでいった女の子のことが
少しでもこどもたちの心に残ってくれたらと願います

暗闇にひっそりと背中をみせて座る女の子
味戸ケイコさんの画が
全てを拒絶している女の子の絶望を物語ります

転校先の学校での新しい生活を
楽しみしていた女の子

謂れのないいじめで
女の子にはだれひとり口をきいてくれる人はいなくなりました

女の子は部屋に篭り
鶴を折り続けるようになります
女の子の時間は止まったままでも
その子の部屋の窓の下を
いじめた子たちは
いつのまにか中学生になり
高校生になり
笑ながら学校へと行くのです
“わたしを いじめたひとたちは
もう わたしを
わすれて しまったでしょうね
あそびたかったのに
べんきょうしたかったのに”
この文を読むたびに
いつも溢れるものをぐっとこらえています

自分より弱いものをいじめる
自分と同じでないものを許さない
そうした差別こそが戦争へとつながる
折りに触れ読み返す
松谷さんの言葉です
