「ねえ、どこか行かない」
久しぶりの爽やかな天気に誘われたのか、ゲームにかじりついていた君が言う。
このところ天候不順で、やっと晴れたと思ったら、すぐに雲が広がり雨がちらつく。
何ともうっとおしく重苦しい天気に体も心も参っていた。
それが今日は雲一つない空。
しかも涼やかな風が吹いている。
朝からどこかに出掛けたいと思っていた俺は、一も二もなく賛成した。
「気持ちいいね」
せっかくの天気。
車で出掛けるのももったいなく、サイクリングとしゃれこんだ。
いつも隣にいるけれど、自転車は歩くのとは違い横並びは難しい。
会話も途切れがちだ。
それでも居心地よく感じるのは君と一緒だからだ。
「僕と一緒に居て楽しい?」
俺の心を見透かしたように君が言う。
楽しいに決まっている。
だって君は、
「俺の太陽」
いつだって君の隣は晴れのち晴れ。



