「愛してる」
ドラマで見ると陳腐に聞こえたセリフも、君の口から出ると重みを感じた。
君しか見て来なかった。
君としか夢を見れなかった。
今も夢の途中に居る。
また会える。
もう一度出来る。
ずっと言い聞かせてきたのは、君の言葉があったから。
慌ただしく過ぎて行く日常に、夢が遠のいていくこともあった。
でも、いつも胸の片隅に楔のようにそれはあった。
「僕も愛してるよ」
呟いた言葉が夜空に吸い込まれて行く。
天空に輝く君の化身に向かって微笑むと、挨拶するようにそれは淡い光を僕に投げ掛けた。
君も僕も変わりは居ない。
だから僕はまだ夢を見続ける。
僕は、
馬鹿でいい。
