急ぐな。
じっくりと楽しめ。
誰かに言われて分かったつもりでいた。
でも、気忙しい毎日に振り回され、一秒も無駄にしたくなくて急ぐようになった。
それはそれでとても充実した日々だったけれど、何かを見失って行く日々でもあったように思う。
いつしか、急いでいることにすら気付かなくなった。
あんなに楽しんでいたものが、ありきたりの物になり、純粋にそれを楽しむだけではいられなくなった。
自分も周囲も、成長と言う名の変革を迫り、僕はもがいた。
変化はすべていいことだと思うようになった。
目まぐるしく変わるこの世界では、常に変化していないとあきられる。
大切なものを守っているつもりで、自分を見失って行く。
それに気付いた時はもう遅すぎた。
いや、遅くない。
今からでも取り戻せる。
だって、僕は僕だから。
あの時の想いはすぐに思い出せる。
深呼吸だ。
あの頃に戻りたくても戻れないが、だからこそ言うよ。
僕よ。
生き急ぐな。
あの時の笑顔は、確かに僕のものだったのだから。
変化するのはいいことだけど、変わらないっていうのも結構大変なこと。
ずっと同じことを続けて、自分ってつまんない奴と思っている君。
続けるのも才能です。
