「もう帰るの?」
帰っちゃやだと我儘を言いたいのに、プライドが邪魔をする。
「見られるから」
人の目を気にするなんてらしくない。
きっと君が気にしているのは、自分よりも僕のこと。
あれは何年前のことだろう。
「僕を・・・欲しい?」
僕の一世一代の告白に困ったような顔で頷いた。
初めての夜は慣れない二人のお遊びのような交歓だったが、僕は満足だった。
でも君はそれでは足りなくて、
「ジュンス、ジュンス」
「ああ・・・」
あっという間に僕を蕩けさせる術を手に入れた。
お互いがお互いを必要として、いつも側に居たのに、世間はそんな僕らの秘密に気付かない。
そのままでいい。
そう思ってきた。
世間に知らせる為に君を愛してるわけではない。
でも、心の中では思っている。
「君は僕の命の源」
君は僕のもの。
そして、僕は君のもの。




