神々の宴 「ねえ」 真っ直ぐに俺を見つめる君。 射抜くような視線に、俺は動けない。 「忘れてないよね」 何をと言う言葉を飲み込んだ。 君と約束したことを一つ一つ思い浮かべる。 「忘れたら許さないよ」 そうか、きっとあれだ。 約束ではなく、大切な日のこと。 忘れるはずないじゃないか。 その日、神々は宴を催した。 君と言う天使を、この世界に下ろした記念を盛大に祝った。 そして、 「俺は苦悩する」 君を愛し過ぎて。 神々に愛された君を愛する苦悩にただ天を仰ぐ。