ゼロ | infection  ~YooSu~

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YooSuが大好き!なじゅんじゅんのブログです。腐の気があるので気をつけて。

涙が出そうだ。

遠くから見た君の姿に、僕は動揺した。

 

 

「ユチョ・・・」

 

 

声を振り絞ったつもりだったのに、喉の奥が微かに振動しただけだった。

名前を呼びたいとずっと思ってきた。

昔のように、肩を叩き笑い合いたい。

僕が君の名前を口にしないのは、怒っているからじゃない。

今でも君の声を幻のように聞く。

僕達はどこまでも一緒だと誓い合ったあの日。

君は忘れてないよね。

僕は忘れないよ。

だって僕達は奇跡の証人。

巡り合って共に歩んだ奇跡を無かったことになんて出来るかい?

僕らが間違っていたと思うかい?

神が居るならば、神の御心のままに進んだだけ。

人混みに紛れて君の背中が消えて行く。

僕の目に、うっすらと幕が張る。

ぼやけて滲んだ視界の中で、あの見慣れた笑顔が振り向いた。

驚いたように目を見張り、僕を見つめる君。

名前を呼ぶんだ。

彼の名前を。

でも、涙が溢れて声にならない。

立ち尽くす僕に向かって彼が走る。

息を切らして、僕の目の前に立った君が、くしゃっと微笑んだ。

 

 

「ジュンス」

 

 

肩を叩かれた僕は、何も言えないまま君に飛び付いた。

会えると信じていた。

それがどんなに小さな可能性でも。

きっとゼロじゃない。