「ああ・・・疲れた」
ふうっと大きな息を吐く。
元気のいい僕を演じるのも大変だ。
泣き言は僕らしくなく、泣きつくのはもっと僕らしくない。
昼間の会話を思い出す。
「うん、いつも楽しいよ」
「いつも楽しそうだね」
と、聞かれ、即座にそう答えた。
「いいね、悩みなくて」
心の中では、そんな奴いるわけねえだろと思いつつ、ただ笑っていた。
声に出すと涙が零れる。
本当は今すぐに君の元へ走りたい。
君に会いたい。
そして、言うんだ。
君はきっとすぐに抱き締めて、僕を泣かせてくれる。
その広い胸に抱かれて、僕は、
本当の僕になれる。
だから、
今、
会いに行くよ。
君に。




