「あっ、お前そっちにしたの?」
MV撮影の合間、用意された弁当を食べていたら、彼が目の前に座った。
口一杯に頬張ったものをごくんと飲み下すと、うんと言う代わりに俯いた。
昨日、彼をおかずにしてしまった僕は、彼の目を見ることが出来ない。
そんな僕の気持ちに気付かず、いつもと同じように人懐っこく話し掛けてくる。
「うまそー。僕もそっちにすれば良かった」
ここで食べることに決めたのか、彼は自分の弁当を開いた。
「バランス的にはこっちと思ったんだけど、やっぱりボリューム系も捨てがたいなぁ。いいなぁ、うまそうだな」
パチンと割り箸を左右に割りながら、僕の弁当を覗き込む。
いきなり顔が近付いてきて、慌てて後ろに身を引き、食べていた弁当を差し出した。
「あげる」
「えっ?」
「あげる」
「あはは、そんなつもりじゃなかったんだけど。そうだな、それなら、一切れだけ」
僕がさっきまで食べていたおかずに迷うことなく手を伸ばし、ぽいっと口に放り込んだ。
僕が食べていたものを無造作に咀嚼する彼に、唾液が交じり合った夢での口付けを連想して、動きが止まる。
彼が食べたおかずに今すぐ箸をつけたいが、まるで彼自身に触れるように緊張して、ただじっと見つめたままの僕に、彼は顔をしかめた。
「悪かったよ。そんなに好きなものだったなんて知らなかったんだよ」
「ちっ、違うよ。ただ、ちょっと、その・・・」
「あっ、そっか。ごめん、ごめん、気付かずに、はい、あーん」
「えっ、あっ、あっ、うっ!」
あまりのことに、ぽかんと開けた僕の口の中に、彼がおかずを押し込んだ。
続く・・・・・しかないよね
ここで終わったら、暴れる?←首を傾げてみる
ああ・・・
お腹空いた(゜ρ゜)←よだれ