「俺は幸せ者です」
低く響く声で言うと、広いおでこに掛かった前髪を書き上げてJを見た。
黒いベールから唯一覗く目が眇められ、くぐもった声が聞こえた。
「ワタクシもです」
「あなたも?」
「はい」
「それは何故?」
「畏まって言わせて貰うならば、占い師冥利に尽きるってところでしょうか」
「それは俺達が上手くいったからですか?」
「そうですね。相談者の望みが叶うのは、きっと占い師ではなくても嬉しいものですよ」
Jはきゅっと目尻を下げて笑った。
彼と上手くいったのは、ひとえにJのアドバイスがあったからだ。
相談者の立場に立って、助言を行うのは職業柄だと思っていたが、J自身も幸せを感じてくれるなんて、くすぐったくも嬉しい。
占い師とアーティストは似ているのかも知れない。
皆に夢や希望を与えると言う意味では、同じなのだろう。
「幸せだけど、不安はなくならないですね」
「それは仕方のないことです。ワタクシ達は生きているのですから。これまで経験したことを頼りに、おっかなびっくり歩いているだけです。考えても見てください。ワタクシ達が知っていることなんて、ほんの一握りにも満たないことです。世界は知らないことばかり。不安になって当たり前ですよ」
Jは自分の言葉を自分で確認するように深く頷いた。
To be continued.....
ユスもユンジェも人を幸せにすることが出来るカップルなんだよー(≧▽≦)←特にじゅんじゅんを