占い師J ~41~ | infection  ~YooSu~

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「俺は幸せ者です」



低く響く声で言うと、広いおでこに掛かった前髪を書き上げてJを見た。

黒いベールから唯一覗く目が眇められ、くぐもった声が聞こえた。



「ワタクシもです」



「あなたも?」



「はい」



「それは何故?」



「畏まって言わせて貰うならば、占い師冥利に尽きるってところでしょうか」



「それは俺達が上手くいったからですか?」



「そうですね。相談者の望みが叶うのは、きっと占い師ではなくても嬉しいものですよ」



Jはきゅっと目尻を下げて笑った。

彼と上手くいったのは、ひとえにJのアドバイスがあったからだ。

相談者の立場に立って、助言を行うのは職業柄だと思っていたが、J自身も幸せを感じてくれるなんて、くすぐったくも嬉しい。

占い師とアーティストは似ているのかも知れない。

皆に夢や希望を与えると言う意味では、同じなのだろう。



「幸せだけど、不安はなくならないですね」



「それは仕方のないことです。ワタクシ達は生きているのですから。これまで経験したことを頼りに、おっかなびっくり歩いているだけです。考えても見てください。ワタクシ達が知っていることなんて、ほんの一握りにも満たないことです。世界は知らないことばかり。不安になって当たり前ですよ」



Jは自分の言葉を自分で確認するように深く頷いた。




To be continued.....



ユスもユンジェも人を幸せにすることが出来るカップルなんだよー(≧▽≦)←特にじゅんじゅんを