闇夜だった。
明かりと呼べるものは、Jが手にしたランプだけ。
足元さえ定かでない、森の中のような庭で、だがJは足取りも軽く一目散にそこへ向かった。
かなりの樹齢を積んだ大樹の根元に、年月を重ねて穿たれた洞がある。
入口は狭いが、中は存外広い。
Jは腰を屈めて、慎重に中に入った。
ランプの灯りが丸くそこを照らす。
中には筵が敷いてあり、根元の窪みには祭壇のように、Jが崇拝するもの達が飾ってあった。
その祭壇に真っ白な封筒が置かれている。
Jはまるでそれが神から下賜されたものかのように、両手で捧げ持つと、眼前に押し頂き、恭しく頭を下げた。
そこまで丁寧に扱っておきながら、きっちりと密封された封筒を端から千切るように開封し、待ちきれないように封入されたものを引き抜くと、ランプの灯火に近付けて見た。
静まりかえった洞の中で、紙をめくる音だけが響き、ランプの丸い灯りが照らすJの顔が綻んだ。
満足げに顔を上げたJが、深い吐息を吐くと、暗く深い庭の森のどこかで、闇を祓うように、夜の鳴き声とは思えぬ軽やかさで鳥が鳴いた。
To be continued.....
ああ・・・
いい・・・
憧れの木の根元の洞(≧▽≦)←そこかい