クリスマスイヴ ~8~ | infection  ~YooSu~

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YooSuが大好き!なじゅんじゅんのブログです。腐の気があるので気をつけて。

「はい」



非常階段に座って、ぼうっと空を見上げていた俺の目の前に、缶コーヒーが差し出された。

俺が黙ってそれを受け取ると、彼は並んで腰を下ろした。



「いい天気になって良かったな」



海の近くでかなり寒いと覚悟していたが、風も弱く、曇りと言う天気予報も外れて、穏やかな空が広がっていた。

彼は両手を上げて気持ち良さそうに伸びをすると、深呼吸をして立ち上がった。



「もう喧嘩なんかするなよ」



俺の頭をポンッと叩き、立ち去ろうとした彼の手を掴んだ。

彼は驚いて、どうしたと言うように俺の顔を覗き込んだ。

俺はじっと俺が振った相手を見つめた。



「あの事気にしてるのか?大丈夫だよ。振られたからって、友達までやめないよ」



彼がにっこり笑う。

その笑顔がさっきのジュンスの笑顔と重なった。

彼も、ジュンスやユチョンのように逃げない。

自分の気持ちからも、俺からも。

クリスマスイヴに、彼から誘われた。

彼は仕事仲間。

彼は親友。

そして一番心を許せる人。

好き・・・な人。

その気持ちに気づいた時、俺は戸惑った。

有り得ないほど動揺した。

俺を見つめる彼の瞳に、俺と同じ気持ちを感じてからは、殊更に友達であろうとした。

彼はそんな俺の気持ちにお構いなしに、どんどん心に入り込んでくる。

逃げれば逃げるほど、彼を好きだと確信する。

でも、そんな気持ちを人に知られたら・・・。

そう思うと怖くて、俺は必至で、安心できる友達の位置に居続けようとして、自分の恋心を裏切った。
彼が告白してくれて、クリスマスイヴに一緒に過ごそうと誘われた。

即座に気の無い振りをして逃げた俺。

それが唯一、この世間と言うものの中で生きる術だと思ったから。

それなのに、俺が苦しみぬいて出した答えを、軽く超えて見せた2人が居た。

その2人が心底妬ましく、羨ましかった。

俺の酷い中傷にも揺るがない2人の気持ちに、俺は打ちのめされ、そして頑なな心が溶けた。

世間が俺を幸せにしてくれるんじゃない。

俺がこの気持ちを認めることが、幸せを連れて来るんだ。

もう間に合わないかも知れない。

でも、言わずにおれない。

俺は、彼を・・・。



「好きだ」



突然の告白に、彼は一瞬驚き、そして破顔した。



「知ってるよ」



彼はそう言うと、また俺の隣に腰を下ろした。

海風が頬を撫でる。

少し冷たいその風も、今の俺には心地良い。

彼が俺の手を握っているから。


「なあ」



「んっ?」



「今夜一緒に過ごさないか?」



真剣な眼差しの彼を見て、こくんと頷くと、彼が俺の手を引いて引き寄せた。



「ありがとう。好きだよ」



びゅっと海風が耳元で鳴った。

でも、その風が2人の間を通り抜けることはなかった。

俺は彼に抱きすくめられ、彼の唇を受け入れていた。






「それで、今一人なんですね」



「そうなんだよ。俺、寂しいの」



おどけて言うと、電話の向こうでチャンミンがクスクスと笑った。

ユチョンとジュンスは、俺のところに来て喧嘩の原因を教えてくれた。

そして、2人で消えた。



「こっちもクリスマスイヴだと言うのに仕事ですよ。誰かさんと」



「その誰かさんに変わってくれる?」



「はいはい、お待ち下さい」



電話の向こうで誰かさんを呼ぶチャンミンの声が響くと、小走りの足跡が聞こえ、電話口に荒い息が聞こえたと思ったら、あの大好きな声が耳朶に響いた。



「メリークリスマス、ジェジュン」



「メリークリスマス、ユノ」



その声は距離も時間も飛び越えて、俺に愛を囁いた。

世界中の愛しいものたちが、クリスマスの夜を幸せに過ごせるように。

その奇跡を願って。

遠い異国の地からも見える、同じ星空を見上げた。





「大丈夫、ジュンス?」



俺の腕の中で、初めての時を迎えたジュンスが、こくんと頷いた。

無我夢中で愛し合い、やっとひとつになったころ、薄いカーテンの向こうで星が瞬いた。

無数の星の中で巡り合う奇跡。

俺はジュンスに出会えた。

そして大切な仲間にも。

この星の輝きはいつまでも消えない。



「ユチョン、好き」



「ジュンス、好きだよ」



潤んだジュンスの唇に、ありったけの想いを込めて口付けた。

クリスマスイヴ。

愛を確かめる日。

俺はこの日を忘れない。

ずっと、永遠に。




Fin.


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じゅんじゅんです(^∇^)



どうだ!







「年内に終わったぞー!」




他人から見たユスを書いてみたくて、ライブの時がクリスマスイヴだし、ちょうどいいやと思って、この話をライブ中に上げることにしたのですが、





「もしもしmayuちゃま、予約投稿が大変だから、表で小説上げるよ」



天使に報告すると、



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「やめて下さい。また自分で自分の首を絞めますよ」←



冷静に返されました( ̄ー ̄)

でも、もう書くと決めていたじゅんじゅん。





「大丈夫だ。いつも、こうやって上げて来たんだ。何とかなる」



他のネタを考えるのもおっくうなので、強行採決(`・ω・´)




infection  ~YooSu~

「知りませんよ。後で泣いても」←



泣くもんかヽ(`Д´)ノ

見てろよ、天使。

いつもいつも、危うい綱渡りをしている社長の実力を見せてやる\(*`∧´)/






「ううっo(;△;)o天使の忠告を聞けば良かった(T_T)」←号泣



結局、ライブの前にそこまで話を書き溜められず、年内に終われそうにない予感。

でも、年越しクリスマスは避けたいと、何とかひねり出し終わらせることが出来ました(T▽T;)←泣きながら書いた


さて、タイトルの「クリスマスイヴ」

eveはevening(夜)と同義の古語evenの語末音が消失したものです。

日本では24日になればイヴと言いますが、ユダヤ歴や教会歴では日没を持って日付の変わり目とするため、24日の日没から25日の0時までをクリスマスイヴ。

25日0時から日没までをクリスマスと言います。

だから、クリスマスイヴはほんの数時間ということになります。

そんな短い時間に愛を語らうのは、本当に愛し合っているユスだからこそ出来るのではないかと思って、この話を書きました:*:・( ̄∀ ̄)・:*:←何たってユチョ亀が優秀

頑なだったスタッフ君の心も溶かした、ユスの愛。

人は世間の中で生きていますが、心は自分の中にあります。

どうか、皆も自分の心を自分を傷付けないで下さい。

自分を守れるのは自分だけですよ(^∇^)



さてさて、今年一年、何とか連続更新を続けてこれました。

これもひとえに、こんなあほなじゅんじゅんを見捨てなかった皆様のおかげでございます。

年々、自分の周りの状況も変わっていきますが、出来るだけ長く続けていけたらいいなと思っております(^ε^)♪

彼らを好きになった時から、ずっと変わらない想い。

それを大切に、これからも皆様とお付き合いさせて下さいませ。

一年間欠かさずお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました。

どうか来年も、じゅんじゅんをよろしくお願い致しますm(_ _ )m

それでは皆様、





「よいユス菌を!」