大阪の心斎橋にある大丸百貨店に今はあるのか定かでないが屋上にガーデン広場のよう敷地があった。

その横にはレストランがあり軽食などがとれるようになっていた。

夏も終わりの昼下がりにその庭を眺めながらカレーかなにかを食した何の気のない思い出でがあり、いまでもその情景を思い出すところをみると食事よりそのガーデンが大変良かったのだと思う。

良く思い出してみると樹木や草花が人工的になにか組織立って植えられている光景ではなく、あるところにはデザインされた人工の置物や植木鉢が何気なく置かれ、あるところには粗野な樹木や草花が植えられている

という風情の庭であった。あれはイングリッシュガーデンなのかもしれない。

春になると新緑がさぞかし美しい庭か?バラが咲き誇る時期になるとご婦人たちが押し掛ける庭なのか?

おそらくいずれの時期に行ったところで「綺麗な庭だ」で印象が薄れてしまっていたかもしれない。

そうでない秘密はどうやら夏の終わりというテーマにその庭が応えるがごとく静かにエネルギーを収束しこれから秋を迎え冬に至るのですよ、という静かな無言の語りかけが、晩夏の風と共に私の心をとらえていたのだと思う。

大自然をいつも満喫している私であるが、街中での美しい思い出も宝石箱の美しい石のようで有り難く思うのである。