拇指骨 | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

Otton frog(和名、オットンガエル;学名、Babina subaspera)と云うカエルが、奄美大島、加計呂麻島に棲息しているそうですが、先週から(日本ではなく)海外のメディアを賑わしているようです。

岩井 紀子さんの仕事、だそうで。

普通のカエルは、前脚に4本の指がありますが、オットンガエルと近縁のホルストガエル(B. holsti、こちらは、沖縄島や渡嘉敷島に棲息)は、拇指様の5本目の指(pseudothumb)を持っていることが、知られていました。

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以前の論文で、この指は、発生学的には、他のカエルでも、その軟骨は存在しているものの骨化せず表面に出て来ることはないのに反し、此れ等のカエルでは、拇指骨となり、拇指から表に飛び出して来ることが報告されていました(日本語の解説は、コチラ。英語の論文は、コチラ)、と云う意味では、前から知られていたことのようですが、今回、続報(原著はコチラ)が出て、何故か、其れが海外で急に注目されて、ニュースとなって、出回っているようです。

この拇指骨は、可成り鋭利なようで、下手にカエルに触ると、ヤラれて仕舞う様です。因みに、Xenopusも、下手に扱うと、爪にヤラれて、ぜのぱすの手は、カエル(と同居ニャンに)依る引っ掻き傷だらけです(笑)。

雌と雄では、雄の方が大きく、自然界では、雌がそれを使っている様子は確認されていませんが、雄同士は、雌を巡って、闘う際に、武器として使用したり、抱接の際に、雌をしっかりと捕捉するのに使われているそうで(☞ 雌、痛ぃじゃん・・)。

Thu, Oct 25