十年後 | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

毎年この時期になると、Scienceが科学上のこの1年のブレークスルーやらこの10年の知見なんかをまとめるんですが、因にScienceが選んだこの10年の科学の進歩に依って得られた知見は、コンな感じ。

新聞ネタcache)にもなっていたので、ご存知の方も多いかと。

上の新聞記事に取り上げられていない、その他の話題としては、振り返ると、ヒトのゲノムが報告されてから、10年になるんですねぇ。The Dark Genomeでは、その後の10年の知見に付いて触れていますね。当初、そのDNAの大きさ(長さ)から、ヒトが持つ(タンパク質をコードする)遺伝子の数は、100,000程と予想されたんですが、意外や意外、実際にゲノムの構造が分ると、35,000に訂正。今では、更に、21,000程じゃないかと云われています。何と全ゲノムのたった1.5%。逆に云うと、その他の大部分は、役に立たないゴミ(junk)DNAか?と思われたのですが、2002年にマウスのゲノムが分って、ヒトと比べると、実は、junk DNAの中にも、ヒトとマウスで、7,500万年の進化の過程を通じて尚かつ配列が保存されている領域が多数見付かり、今では、此れ等の領域が、遺伝子の発現制御に深く関わっていることが知られています。更には、驚くべきことに、ゲノムのあちこちで転写が起きており、2007年には、80%のDNAで、機能の分らない多様な低分子RNAが多く合成されていることも分って来ました。それ以前の段階で幾つか機能が明らかにされていたものの中には、遺伝子の発現を制御しているものもあり、RNAiと呼ばれていましたが、それ迄は、mRNAの機能を阻害することは知られていましたが、2002年には、クロマチンのレベルでの制御にも関わっていることが判明。更には、2007年には、lincRNAと云う遺伝子発現制御に関わっている低分子RNAも見付かっています。

いやはや、ハッキリ云って、この10年で、遺伝子発現制御に関わる知見は、増え続ける一方で、ぜのぱすは、全くfollow出来ていません。 

他に、個人的に興味のある話題としては、Ancient DNAでしょうか。ネアンデルタール人マンモスのゲノム構造の一部の解明、と云ったこともこの10年の成果。☜ すんません、リンク先は適当(appropriate)ではありません。過去のブログから、無理矢理引っ張って来てます(笑)。


いやぁ、10年ひと昔と云いますが、色んなことが明らかにされて来ましたねぇ。

あれ?この10年、私は、一体何を??????

10年後には、もう、居なかったりして(笑)。

Fri, Dec 17